霧の向こう
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海の上に丸一日居ただけあって、陸地に下りてからも暫くはユラユラと揺られる感覚が抜けなかった。
「うっわ、キチ~」
「すぐ慣れる」
「そすか?永遠揺れてそうなんすけど、慣れるまで待ちます…」
何を打ち合わせた訳でもないのに、一緒に行動する事が決まっているかのように、シークとクロロは普通に会話していた。
「さぁて、サウィリアーニャの森ってどこなんだい?」
ナーリンがキョロキョロと辺りを見回すと、どこのツアーの迎えでもないようなバスの運転手が一人、こちらへやって来た。
「あああああの、おおおおお客さん、あのあのあの、サウィリ……サウィリアーニャの……森行くんですか?サウィリ、サウィリ、サウィリアーニャの」
「そ、そうだが……」
いつも通り傍観者に立ち回るクロロは別として、明らかに異様な運転手の彼にびびってラタルの背中に隠れるシークとナーリン。
「おい、お前ら……」
「ちょマジ勘弁、何この人怖い!」
「どもりすぎー!クマできてるよ、危ない人だよー!」
失礼極まりない発言(小声だけど)を連発する二人を積極的に後ろに追いやり、もはやラタルに頼るべきものは自分のみ。
「あの……サウィリアーニャの森へ行きたいのだが……乗せて頂けるだろうか……?」
勇気を振り絞り、それだけ申し出て返答を待った。
「もちろんです、もちろんです」
にこやか(といってもぎこちないし怖いけど)に笑って、運転手らしき人物は自分のバスを指さし、乗るよう促した。
「ま、ままままま待ってました。あなたを待ってました、ず、ず、ず、ずっと!!」
何をおっしゃりますか、本当に
と
一同はどん引きである。
しかし、普通でないところがそれらしく感じる。
間違いない。
彼が禁断の扉の
番人なのだと確信した。
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