虹と海――再会へ
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ずっと秘めて苦しんできた胸の内を、本当は誰かに話したかったのかも知れない。
話して……咎めて欲しかったのかも知れない。
「他にって……ルルちゃん以外を?なんで……」
ラタルの告白は思いも寄らないものだった。
シークは驚愕の念を素直に顔に出していた。
「俺が初めて好きになった人だった。
彼女も俺を想ってくれていた」
幸せだった
ずっと一緒にいられると信じてた
そしてルルが現れた
"ラタルが好きなの "
"ラタルをちょうだい!"
「俺は迷わずルルの気持ちを跳ね返し続けた。
彼女から最後の言葉を告げられるまで、心が動く事はなかった」
ダリアを失った俺を
救い上げてくれたルル
ルルの気持ちに応えてやりたい
ルルに貰った幸せを、返していきたい
俺はルルに想いを伝えた
積み重なった感謝の気持ちを、「愛してる」という言葉にして
「大切にしようと決めた。好きだった。
だけど……いつも心から消えない人がいた」
ダリアを忘れた日はなかった
ずっと愛してた
それをルルは知っていたのだ
「どれだけ大切にしているつもりでも、ルルをダリアのようには愛してやれなかったと思う」
ルルを愛していた
心の底から、本当に愛して
未来にいるのは、君以外ありえなかったんだ
だけど……もしダリアがありのままハンターである俺を受け止めてくれていたら?
何の問題もなくダリアとの関係が続いていたなら――――
「きっと俺は……ルルを好きになる日など来なかった」
「ラタル――お前……」
いつも欝陶しいほど明るくて無神経なシークが、言葉を失っていた。
ルルを愛してた
でも、ダリアをずっと愛してた
ダリアに与えたような愛を、ルルには与えられなかった
ダリアが受け入れてくれたなら―――
ずっとそう思っていた
でもルルは、そんな俺の気持ちを全て知った上で
大きな真心をくれた
身代わりに切られ
命を投げ打って、俺を救ってくれた
見返りのない愛情を与え続けてくれたんだ
「そんなルルを……俺は……失う事しかできなかった……」
言葉にするのは初めてで、堪えきれずに溢れる涙。
シークは何も言わず、ただ黙って立ち尽くした。
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