森の中で
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随分歩いた。
本当に城の敷地内なのかと疑う程に広い森だ。
「あ、池があったわ!早く、ラタル!」
少し前を歩くルルが手招きしながら走っていった。
王女だからと言ってあなどれんな
体力はなかなかのものだ
「転ぶなよ」
「ええ!!あっ……」
「!!」
ズザァッ
言ってるそばから木の根に躓き、元気よくすっ転んだ。
「大丈夫か!?ルル」
ラタルが慌てて駆け寄ると、ルルは土だらけの顔でクスクス笑っている。
「ふふふふっ!楽しい!なんだかとっても楽しい!」
「何がそんなに楽しいんだ?釣りは今からだろ?」
「わからない!でも……変なの。
今まではこうして森に出る事も止められてたのに……ラタルが来てからみんなが優しいのよね。やっと自分の足で歩いてる気がして…楽しいの!」
「ルル……」
仰向けに寝転ぶルルの腕を引っ張り、立たせてやって体の土を払うラタル。
「怪我はなかったか?」
「平気よ。怪我したって平気!」
「王女に怪我をさせたら私が怒られるだろう」
「してませんー」
少し拗ねたような顔でプイッとまた走り出すルル。
その時、突然に強い突風が吹き抜けた。
「きゃあっ」
ルルが手に持っていたストールが掠われ、一本の木の枝に引っ掛かった。
池の真上に伸びた細いそれに、今にも落ちるかというギリギリの状態で掛かっている。
「いや~母様の形見のストールが!!」
「なっ…そんな大事なもの、狩りになど持って来るなっ!(怒)」
思わず王女に突っ込むラタル。
ルルはショボンとしてしまう。
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