虹と海――再会へ
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「なんだ、知り合いか」
クロロが現れ、思いも寄らない展開を目の当たりにしてそう漏らした。
「ああ、友人だ」
「そうか。俺は部屋に戻っているぞ」
「ああ」
海の上で夜をひとつ越える宿泊船。
ランクはあるが、一人に一つずつ部屋がある。
クロロは階段を上り、一晩ひとりきりでも暇をしないであろうSクラスの豪華な部屋に戻って行った。
「久しぶりだな。元気にしていたか?」
1番最初にするはずの会話。
順番が変わって変な感じだが、ラタルの問い掛けにシークは笑って答えた。
「ああ、この5年、風邪ひとつ引かなかったぜ!」
「嘘言うんじゃないよ!昨日まで鼻ズルズルだったくせに!」
「あ、バラすなよ~敢えて~!」
「無意味な大袈裟、言うからだよ!」
あっという間に漫才のような夫婦喧嘩を始めた二人。
ラタルはそれを見てクスッと笑った。
「変わらないな。相変わらず弱いのか」
「あ、ひでー!うちはこれでも亭主関白なんだぜ!?」
「はい嘘、また嘘~!」
「ナーリン~いけず~~!!」
明るい二人のやり取りに、何だか心を救われるようだった。
懐かしい
5年前、4人で過ごした一夜が懐かしい
ルルはナーリンに凄くなついていたっけ
「髪、切ったんだな」
ナーリンにそう言うと、少し気まずそうに頭を掻いた。
「うん……一応ね、自分への戒め。
一生、ルルちゃんみたく短い髪でいようって」
「え……?」
念の糸をルルに教えた事で、あんな結果を招いてしまった。
それをナーリンは5年間、ずっと深く後悔していた。
償いの術が何ひとつ浮かばず、ナーリンは長い髪を捨てた。
生涯、鏡に映る自分を見てルルを思いだすように。
「ナーリン……」
綺麗な黒髪だった。
よく覚えている。
長い髪を大切にしていたのだろう。
それを………
「私がそうしたいからしてるのよ!?暗くならないでね!」
「そーだぜ!ナーリンはどんな髪でも似合ってるしよ!」
悲しげな顔になったラタルを励ますように、二人は無理矢理元気な声で言った。
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