虹と海――再会へ
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この5年もの間、クロロと二人であらゆる景色を見て来た。
最初の頃に行った四季のない国には、随分長く留まった。
時が止まっているようで
過ぎずに待ってくれているようでホッとした。
いつも胸にあるのはルルの事だった。
四季のない国は意外と多くて、いつもそこに留まろうとする度
連れ出してくれるのはクロロだった。
「探しに行くんだろ?」
たったその一言と、引っ張り起こしてくれる手。
それだけで俺の足はまた動く事ができた。
満天の星、断崖絶壁の谷間、広い荒野、野性の森、極寒の山の頂上、雪の世界、灼熱の砂漠
人が造り上げた物、壊された跡
オーロラ、虹、朝日や夕日
青い海、赤い海、金色の海―――――
世界は思っていた以上に広かった。
自分はちっぽけなのだと思い知らされた。
大切な人達に見せたい景色が沢山あった。
そう感じた時、いつもルルを想った。
隣で一緒に見るはずだった
失くしてしまった
大切な人………
今でも涙が出る。
夢に見る。
けれど、世界は広かった。
沢山の人が生きていた。
その生き様に、時として真理を見せられ
ルルと重なり、自分の中で消化されていくのを感じた時は
決まって心の中のルルが笑顔になった。
「そういえばこの国では魔獣をペットとして飼い馴らしているそうだ」
「へぇ……よくもまぁ、好き好んで……」
船の中、凪いだ海を眺めながら食事をとる。
クロロが持ち出すどうでもいい話題に、適当に返事を返す。
クロロも気付いている。
誰かに見られている。
「……ヒソカではないな」
「ああ、蜘蛛の団員でもない」
「もしや、どこかでまだクロロの賞金首が取り下げられていないんじゃないか?」
「どうかな…優秀な後輩達が目立ってくれて影は薄くなったはずなんだがな」
「とりあえず」
「引っ掛けるか」
そう言って二人は立ち上がり、テーブルを挟んで真逆の方向に歩いて行った。
視線の主の気配も動く。
追って来たのはラタル。
どうやら、ラタルに用があるらしい。
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