翼をくれた人
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地球のように青く美しいその石をしばらく見つめた。
出ない答えに頭痛に見舞われ、ベットで体を横たえる。
ルル
ルル、ルル、ルル!
ルルの事だけを考えたい
細胞のひとつひとつまでずっと彼女を忘れないように、鮮明に思い出せるように
ルルの事だけを考えたくても、頭が痛くて叶わない
いっそ気が狂ってしまえばいいのに
誰か助けてくれ
もう嫌だ
生きていたくない
明日が来るのが怖い
ルルから遠ざかるのが怖い
あああっ…………
ああ――――――!!
「ラタル」
ーーー目を開けるとベットの隣には
クロロ。
窓からの光を遮るように立ち尽くし、俺を見下ろしている。
別に絶を使っていた訳じゃなさそうだ。
どうやったら察知せずにいられたのか疑問だ。
一応自分が壊れているのだと気付く。
「……一緒に行くか」
随分と唐突に、クロロは呟いた。
何があったか知っているのだろう。
きっと知らない事など、ないのだろう。
「……どこに」
不思議だ。
口が動いて、誰かに問い掛ける事ができた。
死んだ心が目を覚ます。
クロロは笑わない。
ただ、漆黒が穏やかにこちらに向けられている。
「世界中を一緒に回ろう」
「……何の為に」
「俺の為だ」
差し延べられる手。
救おうとしているのか
何の為?
愚問だ。
贖罪の為……
「あなたに……奪う事しかしてこなかったあなたに、何がわかる」
今言いたい訳じゃない言葉が、勝手に口から零れ出る。
誰かを責めたい気持ちが、はけ口を求めてる。
「奪い尽くして…壊し尽くして…残された者の心まで殺してきた人間が…何を!!」
何に対して溢れくるのかわからない憎しみを、張り上げた声に全部込めた。
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