森の中で
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「森へ行きましょう、ラタル!!」
眠れない夜が続いた。
ルルと同じベットという(ダリアに対しての)罪悪感、慣れない女の下着を着用する窮屈さ、傷付いた自尊心による鬱屈とした心、会いたい人に会えない寂しさ…
現状の全てがストレスで全然眠れなかった俺が、ようやく力尽きて寝落ちたのは4日目の深夜だった。
なのに……
「早く起きて!狩りに行きましょうよ!!」
「……狩り……って、今何時だと……」
枕元に置いていた腕時計をぼんやり確認すると、午前5時を指している。
「……勘弁……もう少し寝かせてくれ……」
半ば懇願するような声で再び布団を被ると、ルルにガバッとそれを剥がされた。
「ダメよ!限られた時間は有効に!!さぁ起きなさいっ!」
爽やかすぎる満開の笑顔で元気に起こされる。
……言い訳ではないが、俺は今までそれなりに修行を積んで来たし、何があっても心が折れない自信があった。
しかし、これはないだろう。
寝ぼけ頭が思わずこの王女をはたくところだった。
ストレスとはこういうものかと真面目に実感している。
「……………」
「輸入したてのコーヒー、美味しいって評判だからいれるわね」
一応、物影に隠れてウツラウツラしながら着替えていると、水場から湯を沸かす音が聞こえた。
「気を遣うな、準備くらいすぐにできる」
……言いながら気がついた。
ルルはすっかり自身の支度を終え、出掛ける準備を万端に整えていた。
きっともっと早い時間に目が覚めていたのに、ギリギリまで俺の事を寝かせてくれていたのだと。
「……そんなに遊びたいのか」
「ラタルといられる時間は限られてるもの。
たくさん、たーくさん、思い出作ろうね!」
あ、今の言い方、母さんに似てる……
無意識に笑いが零れた。
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