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瓦礫の上で冷たいルルを抱き、あれからラタルはシークやナーリンの言葉に一切反応を示さなかった。
救助にやって来たレスキュー隊員には触れる刹那に全て拒絶し、その場を動こうとしなかった。
しばらくして事態を聞き付けたゴンとキルアがやって来て、無理矢理ラタルからルルを引き離した。
喚き、抗おうとしたが、二人の顔を見てハッと我に返ったようだった。
まるで逃避するようにラタルはそこで意識を失った――――。
夢は、見なかった。
次に目が覚めた時は、病院のベットの上にいた。
「………――――ルル……」
すぐ傍にルルの気配を感じた気がして、目を開けながら名を呼んだ。
しかし、目の前に見えたのは自分の顔を覗き込む皆の姿。
シーク…ナーリン…ゴン…キルア……
そして何故か、クラピカにリンまで。
「ラタル!!ラタル……ごめ……ごめんな……!」
シークはラタルが目を覚ますなり、謝りながら泣き崩れた。
「……どうした……?」
「俺のせいで!俺が仕事に参加したいって言ったから…!!」
……何を言っているんだろう
あれは夢だろう?
全部、夢だったはず
「今はゆっくり休めよ。仕事の事とか、何も考える必要ねーから」
珍しく、キルアが優しい事を言う。
ゴンは何も言わず、俯いている。
「大丈夫か……?」
クラピカは煤や埃だらけのラタルの髪を、優しくひと撫でした。
哀れむような、慰むような悲しげな瞳で。
『ラタル……』
ボロボロと大粒の涙をハンカチで何度も拭い、リンはただラタルの手を強く握った。
ラタルは皆の顔を見渡し、そこ " 彼女 " がいないのを確認すると、静かに瞳を閉じた。
そして深い深い溜め息を吐いた。
「……ひとりになりたい……」
両腕を額に乗せ、掠れた声で呟くように言った。
皆は何も言わず、静かに部屋から出て行った。
しかし、クラピカとリンだけはそのまま部屋に残った。
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