冷たい指
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握っていたラタルの左手が
微かに、動いたーーーー
「………ラタル?」
呼びかけるのと同時に、トクンと小さく、脈打った。
ゆっくり…ゆっくりと…血が巡り始めたのだ。
冷たくなった自分の指とは反対に、温かくなっていくラタルの身体。
赤みが戻りゆく頬
消えていく傷
力強くなっていく鼓動
そして
ラタルの呼吸が、聞こえた……
「ラタル………」
その瞬間、ルルの心はまるで奇跡に救われていくように、一気に安らいでいった。
自分に待つ運命を、嘘のように享受できた。
瞼が重くなってきて
でも目を閉じるのが怖くない
だって瞼の裏にすら、ラタルがいる
笑ってくれている
薄らいでいく意識の中、ラタルの身体を埋め尽くしていた瓦礫の山が、まるで魔法のように空に舞い上がっていくのを見た。
空から差し込む、光。
それが月の光か太陽の光かもわからない。
しかし、確かにそれはラタルを生かし、守る光なのだと思った。
怖さなど、もう微塵もなかった。
私はなんて幸せなのだろう
貴方が生きているこの星は、なんて美しいのだろう
ああ……
私はきっと、この日の為に生まれて来たんだ………
ラタルに出会い、恋をする為だけに
この半年間の為だけに
命を与えられたんだ―――――
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