それぞれの闘い
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腹を掴まれていた蛇は、女の腕に巻き付き噛み付いた。
またしても血が飛び散る。
しかし女は平然と蛇を引きはがし、床に叩きつけて頭を踏み潰した。
「しゃらくさい、毒なんぞ私には効かん」
ベッと床に唾を吐き、女はゆっくりこちらに向かって来た。
ラタルは待たずに自身から距離を詰め、銛で攻撃する。
横に払うように切り掛かるが身を屈めて難無くかわされ、喉元に銃を突き付けられる。
しかし引き金を引くかの交渉もさせぬ速さで、ラタルの膝が女の腹に入り、拳が横っ面をはねた。
女は軽く飛ばされ、壁に激突する。
「……っ……女相手に容赦ないな……」
歪んだ表情で腹を押さえる女。
「関係ない」
「……こんな躊躇いなくやられるのは久しぶりだ」
腰に挿した二丁の銃を両手に取り、女はラタルに向けた。
「動くなよ。念弾だ。引き金を引けば最後、この部屋にいる全員を殺すまで止まらないぞ」
「貴様の仲間もいるが?」
「我々は使命の為なら犠牲も厭わない」
「使命?」
「この国のふざけた権力者達を一掃し、新たな国家を創る。
貧民に優しい…悪は裁かれ、努力は報われる国だ!」
自分達こそが正義だと言わんばかりに、女は高らかに叫んだ。
しかし、ラタルは軽蔑するように嘲笑った。
「大臣ひとりを標的に、それ以外の人間をどれだけ殺した?貴様に国を憂い、変えようとする資格などない。
自己憐憫も大概にしろ」
「な…にぃ!?この…っ!!」
目を剥いて歯を食いしばり、体を震わせて女は銃の安全装置を外した。
「殺してやる!!貴様ぁぁぁぁ!!」
そして両の銃の引き金を、引いた。
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