それぞれの闘い
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廊下でも闘っている音が聞こえる。
キルアかもう一人のハンターか
ベランダでの様子はよく見え、どうやら屋根から飛び降りて来た敵と、待機していたハンターが闘い始めた。
床を突き上げてやって来た敵とは、率先して近かったシークが向かい合う。
大柄の男。纏っているオーラは半端ではない。
「待ってたぜ!来い、自己満エゴな人殺し!!」
来いと言っておきながら先手必勝とばかりに向かっていくシーク。
オーラを腕に目一杯集め、繰り出した拳を相手も堅で受け止めた。
シークの奴、強化系か…やるな
何より闘い慣れてる
度胸もあるし、連れて来て正解だったな……
ラタルはそれだけ思うと、更に神経を研ぎ澄まして他からの出現を待った。
「……まだ来ませんか?」
「……ああ……門前でおそらくゴンくんが捕らえたやも知れん」
共にこの現場を守るハンターに問いかけると、希望的観測ではあるが、彼は心強い答えをくれた。
二人はそのまま動かずカシチを囲んだ。
自分達は最後の砦
ここは死守しなければならない
周りで繰り広げられている激闘に気を取られないようにするだけで精一杯だが、とにかく護る、それだけを考えた。
「……来た……上だ!」
という声と、ほぼ同時だった。
今度は上から天井を突き破って敵が降りて来た。
「俺が行きます!!」
崩れ落ちてくる瓦礫の中にその姿を見つけた刹那
ラタルは自身の念力の一つである銛を即座に投げつけた。
相手の後ろに壁はない。
壁があれば張り付けられる。
なければ、そのまま体を無傷で通過し魂だけを奪う。
つまり最初から殺すつもりで投げたのだ。
もちろん簡単にはいかない。
降り立った敵は紙一重で銛を避ける。
先端が頬を掠め、血が飛び散った。
心臓以外を狙えば普通の銛と変わらず、傷付ける事もできるのだ。
一瞬、体勢を崩す相手。
迷わず隙を突こうと銛を向けるが、働いたのは第六感。
何か企んでる
そう感じて一気に距離を取る。
大穴の空いた天井から一通り瓦礫が崩れ尽くし、舞い上がった土埃も落ち着いて敵の姿が漸くしっかり見えた。
ターバンを巻いてサングラスを付け、細い腰に拳銃を二本挿している。
金髪のセミロング。
真っ赤な口紅が月明かりに映える。
「……女!?」
「ふふん。あんた勘がいいな」
口許に赤い弧を携え、その手に持っていたのは
大臣が庭に放っていた猛獣の中の一匹、毒蛇だった。
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