それぞれの闘い
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「ちょっと元気出しなよ、ルルちゃんってばぁ~」
「……元気よ……」
ラタルとシークがホテルを出た後、ルルとナーリンは片方の部屋で一緒に過ごしていた。
「ナーリンは心配じゃないの?目の届かない所で旦那様が危険な目に遭ってるなんて」
「別にあいつは、いつでも自分の好きに生きてるし。何より信じてるからね」
「私も……別に信じてない訳じゃ……」
あら
これ、さっきラタルに言われたのと同じ台詞
少し気恥ずかしいような嬉しいような、変な気持ちになってルルは顔を伏せる。
「とにかく部屋に篭ってると気が滅入るし、どっか遊びに行かないかい?ここらには色々名所があるんだよ」
ナーリンの明るさに気が紛れる。
ルルが頷いて、座っていたベットから立ち上がろうとしたその時、ナーリンの携帯にコールがかかった。
「もしもし!?……うん……え、そうなの?
わかってる、ルルちゃんとはずっと一緒にいる。……うん……気をつけて」
短い電話。聞くまでもなく相手はシーク。
「ナーリン!シークは何て!?」
「……うん、仕事場ね、案外近くみたいなんだ。ここ田舎じゃない?だから依頼してた政治家の別荘があるみたいで……」
「ラタルは!?」
「いや、声も聞こえなかったわ。シークが少しの合間に連絡くれたみたい」
少し申し訳なさそうにナーリンが携帯を仕舞う。
「近い!?近いってどこ?一緒に……行かない?ナーリン」
絶対に断られる
止められる
そう思って、躊躇いがちに言った言葉。
しかしナーリンは意外にも真剣に考えている様子。
「……ルルちゃんが、邪魔しないって約束できるなら」
「誰に物を言ってるの!私はラタルの邪魔になるような事は死んでもしないわ!」
「……ホントにぃ?」
コクンと強く頷くルル。
バッチリ顔を合わせ、今度は二人同時に頷いて、ルルとナーリンはホテルを飛び出した。
愛しい人の今
それだけを知りたくて
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