それぞれの闘い
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向かい合った途端、ルルはプイッと背中を向けた。
「おい、ルル」
「嫌いよ!」
何も聞くまいと、遮断するように叫ぶルル。
ふーん
見え透いた嘘を、このやろう(怒)
「拗ねるのは構わないが、今回は絶対に連れて行かないぞ。俺に依頼された仕事だ。
お前はまだ連れていける程力をつけていないし経験もない」
「わかってるわよ!!わかってるけど、何故黙って行こうとしたの?納得できる訳ない!」
「お前なら絶対についてくると思ったからだ。
大人しくナーリンと待っていろ」
「全然わかってない、そんな問題じゃないわ!」
泣いているようだ。
グスッと鼻を啜る音。
ラタルは思わずギョッとした。
「別に信用してなかった訳ではない!ルルを危険に晒したくなかったから」
「でもそんな思いやりなんかより、俺の盾になれって言われた方がどれだけいいか!
私はラタルの為に存在していたいの!だから……っ」
「マゾかお前は。そして俺はどんなドSだ」
「真面目に話してるのに、何よっっ!!」
噛み付くような勢いで振り返ると同時に、ポスッとラタルの腕の中に収められてしまった。
「放してよ!」
「放して欲しかったら泣くな」
「じゃあ泣き続けるわ!」
「……なんだそれは。本当に困った奴だな……」
笑いながらルルの髪を撫で、落ち着かせるラタル。
ルルの呼吸が次第に深くなっていく。
「そんな風に泣かれると思っていなかった。すまない。これからはちゃんと言う」
「ずるい……そんなに優しくされると文句言えない」
「文句なら無事に帰って来てから、いくらでも聞いてやる。今はこのまま甘えさせてくれ」
「これ甘えてるっていうの?」
逆じゃない?と思いながら、ルルは何だか急に自分を抱きしめているこの腕を、自分が支えているような気持ちになった。
「……ラタル……絶対無事に帰って来てね」
「ルルを置いて死んだりしない」
当たり前のようにラタルは言う。
しかし、数カ月前には自分がこんな言葉を貰える日が来るなんて夢にも思っていなかった。
抱きしめて貰える日が来るなんて……
「ねぇ、ラタル……」
「ん?」
「ラタルは……まだダリアが好き?」
唐突に、突然に。
予想通り、ラタルの返答はそこで詰まった。
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