星と街明かりの境界で
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「…と、いう訳なんだ。悪いがルルを頼む」
7時と言ったのは伊達ではなく、無意味な程に早起きなシークと、部屋へ戻る途中の廊下で会った。
まだ寝ているであろうルルに黙って行くつもりだったラタルは、好都合とばかりにシークに全てを話した。
そしてその間のルルの面倒を頼んだ。
「つーかそりゃ別にいいけどよぉ!なに、それ俺も手伝いてーんだけど!力になれねーかな!?」
興味本位丸出しのシークに、ラタルは首を横に振った。
「危険なんだ。まだ相手の事がよくわからない。ハンターでもないお前に頼む訳にはいかない」
「おいおい、ハンターじゃなくても実力はあるんだぜ!?ほら、最終試験で俺が落ちた理由!覚えてるか!?
トーナメントで組まされた相手が全部女、女、女!
俺ゃ女に手を上げる趣味はねーって一回戦で辞退したが最後、次も次も女じゃねーか!!
後々言葉をひっくり返す事もできなくてお前……落ちちゃったんだろー!!ちくしょー!!
あれがなきゃ俺だって受かってた!!絶対受かってた!賭けてもいいもんね!!」
何を思い出したのか、涙ぐんで熱烈に弾丸トークを繰り広げる。
だいたい今更確かめようもないのに何を賭けるというのか。
「……しかしな……」
「いいから会長に電話掛けてみろ!俺が代わる!給料もいらねーし!!
ただラタルと肩並べて闘ってみてーんだよ!
たーのーむーよー!!
ナーリンにもいいとこ見せたいんだよ~~~!!」
「……………」
必死に縋り付く様を見て、ラタルは深く溜め息をついた後、仕方なしにネテロに電話をかけた。
「あ~~、去年の受験生に確かいたのぉ。
無償でいいなら自分の命に責任を持つ事を条件に参加を許可する。
とにかく任務遂行は絶対にして最優先じゃ」
「……わかりました」
意外にも許可が下りた事にラタルは拍子抜け。
シークは万歳三唱をしてから準備をしに部屋へ跳びはねて行った。
予告された日時は今夜8時。
高ぶる気持ちを抑え切れず、緋色に変わる瞳を隠すように目を閉じた。
ハンターとして成長する為のまた一歩。
左手の小指に結ばれたルルとの絆に
無事で帰る事を誓いながら、ラタルはそっとキスをした。
~続く~