星と街明かりの境界で
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「もしかして、また知り合い?ラタル」
ルルが眠たそうに目をこすりながら、ラタルの袖をちょいちょいと引っ張った。
「ああ、少し話してくる。悪いがルルは先に部屋に戻っててくれないか?」
「うん……わかった」
ルルはクロロにペコリと頭を下げてから、ヨタヨタと部屋へ戻って行った。
「…大丈夫なのか?連れを放っておいて」
「問題ない。ところであなたは何故このホテルに?確か発掘の仕事をしているんじゃなかったか」
「よく知っているな。……座って話すか」
二人は展望室の全面ガラスで360度夜景の見渡せるフロアへやって来た。
都会から近いだけあって、金を払っても惜しくない程の美しい夜景。
まばゆさに目を細めるクロロの横顔を、ラタルは不思議な気持ちで見ていた。
「想像と違うな」
率直に言葉にすると、クロロは街の光に目を落としたまま口を開いた。
「見た目が?」
「いや……見た目もだが、雰囲気が」
こんなに唐突に、そして穏やかに、出会いは訪れた。
シークとの再会といい、この旅では世界の狭さを実感させられそうだ。
「母さんにはよく聞かされてたんだ。昔話が好きな人でね」
「それは興味あるな。聞かせてくれ」
窓際から離れ、フロアのど真ん中に寄せられた真四角のソファーにクロロは腰掛けた。
「…リンは元気にしているか?」
そう尋ねる表情は、酷く穏やかなもの。
「ああ、元気にしてる」
「そうか」
ラタルはクロロの座る隣に、少しだけ距離をあけて腰を下ろした。
窓の外は星空と夜景の境界がわからぬ位に一面の輝く宝石。
BGMに流れてくる、耳に優しいヒーリングメロディ。
「なんか……ロマンチックすぎて嫌だな」
「同感だ」
顔を見合わせ、一拍置いてラタルとクロロは笑った。
「さて……何から話そうか」
何だか今、とても気分がいいんだ
この男に
クロロに
話したい事が沢山溢れている
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