退路なし
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ここは断るべきではない
いや、多分断る道はない
わかっているからこそ溜め息が漏れた。
頭を抱え、眩暈を抑える。
「……で、つまりは……俺にどうしろと……
どのタイミングで明かせば……」
「仲良くなって、互いに心を開き合って、ルルに信用されたら告白して欲しいの。男性でも恐くないという事を教えてあげて欲しいの」
「………う"~………」
↑ラタルのうめき声。
……嫌だ……
嫌だぁ―………ぁー………
逃げたい……本気で…
なんで俺がこんな事を!
なんで……っっ!!
今回ばかりは父をも恨んだ。
逃避不可の最悪な現実にラタルはへたり込んでしまう。
「大丈夫!?具合でも悪いのですか!?」
「ええ……吐き気と頭痛に見舞われています……」
心配して寄って来た王女にそう答えるも、もうどうしたって果たさなければならない使命なのだ。
落ちている暇はない。
「……とにかく、彼女を送り出す日までに彼女のトラウマを克服できればいいんですね」
「!!
協力してくれるの!?」
「この状況で断る術があるのなら教えて下さい」
「ああっラタル!感謝するわ!!」
四人の姉王女達は一斉にラタルに飛び付いた。
勢い余ってラタルは後方の床に押し倒され、その上に姉達が次々にのしかかる。
「ぐわっ!!」
「ラタル!!本当にありがとう!!」
「私達もサポートするからきっと成功させましょう!」
「どうでもいいからどいて下さい!!
お、重っ……」
「あ―――っっ!!
お姉様達、何をしているの!?
ラタルが潰れてしまうじゃないの!!」
戻って来たルル王女が下敷きになっているラタルを引っ張り出して助ける。
ラタルはもう何もかもがどうでもいいという気分になって来た。
「はぁ…………」
溜め息が絶えず漏れるばかり。
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