昂まり、静まり
夢小説設定
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「お前!やっぱりラタルじゃねーか!」
「えっ……」
ガシッ!!
いきなり強く肩を掴まれ、身を固くするラタル。
しかし相手は本当に自分を知っているらしく、嬉しそうに懐いてくる。
「あの……すまない、どなただったか……」
「何!?俺の事覚えてねーのっ!?うっそだろォ!?」
「いや……すみません」
身振り手振りで大袈裟なリアクションをする相手に少しウザさを感じ、ラタルは顔を引き攣らせる。
「あのなぁ!去年ハンター試験一緒に受けたじゃんかよ!
俺だよ俺!シーク!!」
「シー………………………………………あぁっ!」
「長いな間!!」
漸く記憶の奥にピーンと一致する顔が。
つっかえが取れてラタルはすっきりした様子。
「そうか、あの107番か。こんな所で偶然だな」
「番号で覚えてたのかぁ!?友達甲斐のねー奴だ!」
「いつから友達?」
「ま、いーや!とりあえず俺も奥さんと来てんだ!ディナーくらい一緒しよーぜ!!」
じゃあ1時間後に最上階のレストランで!!
と、勝手に言い残して、さっさとシークはエレベーターを降りて行った。
ポカンと呆れるラタルとルル。
「……知り合い……だったのね」
「ああ……」
「友達?」
「いや、母さんと受けたハンター試験で、開始前と終了後に少し話した程度。あいつ落ちたから」
「そう……」
「…………………」
「…………………」
「で。行くの?」
「行かなくても食事する所は同じだしな……」
何となく変な空気で閉じかけていたエレベーターを降り、二人はそれぞれ温泉に向かった。
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