昂まり、静まり
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しばらく沈黙の中、二人で寄り添い、ベッドの上から空を眺めた。
綺麗な緋色。
反射し、紫を帯びる雲。
飽く事なく、流れゆくそれを目で追った。
「……温泉でも……入りに行くか」
「そうね!」
元気な声が返ってきた事に、少し安堵するラタル。
二人は手を繋いで一緒に部屋を出た。
「で?部屋、やっぱり別にするの?」
「…そうだな……せめてツインにしよう。
やっぱり別は淋しいしな」
「本当!?よかった!」
抱かないと決めてしまえば大分楽な事がわかった。
しかも、さっきのでかなり頭が冷めた。
「一緒には寝ないからな。最初に言っとく」
「ふふふっ、早くラタルと結婚したい!」
「あ、その二文字!気をつけて出さないようにしていたのに」
「え、何で?」
「大事だろう。しょっちゅう言うもんじゃない」
「ふーん?でもラタル、結婚したら私の国の王様になってくれるの?」
「馬鹿な!お前が嫁に来い」
「でもお父様は残念がるわ。ラタルを王にしたいって凄く願ってたもの」
「嫁に出してもいいとも言っていたぞ」
「言ってた?」
「言ってた」
「言ってた?」
「言ってた!」
二人で楽しく言い争い(?)ながらエレベーターに乗り込む。
人目を気にしながら手を放すラタルに、無理矢理繋ごうとするルルが、無言の争いをまた始める。
影でバシバシやり取りをしていると、エレベーターに同乗した男性がじっとラタルを見つめていた。
「……お騒がせしてすみません」
余りにまっすぐ見てくるものだから不思議に思いながらも、小さく頭を下げて謝った。
すると、相手がパッと表情を明るくした。
「やっぱり!ラタル!ラタルだろ!?」
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