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空港でも、飛行機の中でも、はたまた到着した空港でも
ルルはひたすら叫び通しだった。
ラタルはしばしば他人の振りをして離れていた。
「凄い!私の国ともラタルの国とも全然景色が違うわ!
見て、あの町並み!家が小さいわ!!」
「わかった。わかったから大声を上げるな。
というか話しかけるな」
注目から逃れるように足早に出口へ向かうラタル。
ルルも興奮しながら後を追う。
「見て!!荷物が流れてくるわ!!」
「わかったから」
「見て!!あれは民族衣装かしら!?私も欲しい!!」
「わかったから」
「見て!!なぁに、この食べ物!?真っ赤よ、辛そう!!」
「わかったから」
「見て!!食べていいんですって!ひとつ貰って…」
「やめとけ!!」
唐辛子をそのまま口に運ぼうとする手を慌てて止め、無理矢理引きずるようにしてようやく空港を出た。
「見て!!バスが2階建て!!きゃ~~~!!」
気絶させた方が早いか
という考えまで過ぎるラタル。
とにかく声がでかい。
気持ちはわかるが、嫌がらせかと思う程に声がでかい。
「ルル、声をもう少しひそめろ」
「見て!!犬!!犬が道を歩いてる!!」
聞いちゃいない上にビックリするような事にまで感動している。
困り果てながらも、バスの他の乗客に頭を下げるラタル。
「次で降りるぞ」
早くその状況から逃れる為に、予定にもない場所でバスを降りる事に。
「どこへ行くのよ?まずはお寺に行くんじゃなかったの?」
「変更だ。ホテルにチェックインが先」
「……こんな街外れに泊まるの?」
不思議そうに小首を傾げながらも、ルルはバスを降りるラタルの後に続いた。
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