ラタルの恋物語2
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ラタルはそのままダリアを引っ張ってすぐ側の小学校までやって来た。
「ちょっ……中、入るの?」
夜の学校の不気味さに怯むダリア。
「大丈夫、校舎には入らない。」
フェンスを越えてダリアをエスコートするラタル。
「やだ、私、高いとこダメで……」
フェンスのてっぺんで震え出すダリアの手を掴んだまま、タルトの箱を地面に置いてラタルは両手を広げた。
「じゃあ受け止めるから」
「え!?無理!!私重いもの!!」
「痩せてるだろ。仮に百キロあっても大丈夫だから」
「そんなにはない!」
真面目に言ったのにダリアはむっと膨れてしまった。
「大丈夫だから早く来い」
「いや!」
「こんなでもしないとダリアに触れないんだ。
だから来てくれ」
「!!」
ラタルの甘い台詞(本人、至って真剣)に、ダリアは思わず赤面する。
「何言ってるのよ!尚更降りづら……わっ」
文句の途中でバランスを崩し、落ちて来たダリア。
無事にラタルの腕の中に収まる。
「いやっ!!ごめん!!大丈夫!?」
「じゃない」
ラタルはクスクス笑いながらダリアの体を思いきり抱きしめた。
「ラタルくん…」
「ごめん、長い間放っておいて」
耳元で囁かれる真剣な声にダリアの瞳から涙が溢れる。
「……七ヶ月間も……どこで何してたの?
私、もう嫌われたと思ってた……」
「嫌いになど!なるわけないだろ」
ダリアの肩を掴んで体から離し、泣き顔を真っ直ぐ見た。
閑静な校舎、狭い校庭。
フェンスの外は住宅がたくさんあるのに驚く程静かで暗い。
まるで世界に二人きり。
「どこにいたの?連絡も取れなくて……心配したし、悲しかった……」
「すまない。先に言って失敗したら格好悪いから黙ってたんだが……実はハンター試験を受けてたんだ」
「ハンター試験!?」
大きな瞳を尚更開いてダリアが声を上げた。
「ラタルくん、ハンターになったの!?
ハンターって……あのハンター!?」
世界中から集う有象無象、そして猛者の中から選ばれし、ほんの一握りの人間しかなれないとされる
―――ハンター。
「まぁ、一応試験は合格したからハンターだ。
まだ仕事はしていないがな」
「ら、ラタルくんって……そんな凄い人だったの……?」
何故かとてもショックそうに茫然とするダリア。
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