ラタルの恋物語2
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「ラタルくん!」
「ダリア……」
待ち合わせ時間丁度に行ったはずなのに、待ち合わせ場所のコンビニ前ではダリアが余計な男共に絡まれていた。
「なに~?君が待ってた男ってこれ!?
細っこいな~ 」
「俺らといた方が楽しいって!!」
チャラチャラした……てゆーか漫画みたいな馬鹿男共が、お約束通りダリアの腕を引く。
「あははははっ!
こんな三文小説みたいな展開、本当にあるんだな!」
普段は気の強い彼女の脅えた顔を見ながら、まるで貴重な体験を喜ぶかのようにラタルは笑った。
「ふ、普通笑う!?ひどいっ!」
「あはははっ!ごめん、でも……」
余程ツボったらしい。
涙目のダリアにラタルの笑いは爆笑に変わる。
そんな会話を聞きながら馬鹿男共はニヤニヤとラタルの肩に手をかけてきた。
「おいおいおい、ビビってんじゃねーよ。
彼女をかっこよく助けてみろっつの!
ま、無理だろうけど」
「こーんなチビじゃなぁ。
おい彼女、このガキのどこがいいわけ?」
なんて阿呆な台詞にさえ、ラタルは感動している。
「わー……すごいな、母さんが好きそうな流れだ」
昼ドラでも今時、こんなシーンはギャグ扱いだぞ
だけど母さんは一昔前の少女漫画とか大好きだしな
「で、ヒーローがかっこよく助けなきゃならないわけか」
あはっ
と可愛い笑顔を漏らすラタルにイラッときた相手が胸ぐらを掴んできた。
「誰がヒーローだっつーの!なめんな、ガキが!」
絵に描いたような安いチンピラ台詞にまたもラタルは笑いながら、リンから預かったタルトの箱を垂直に投げた。
そして相手にもする気がなかった彼らの腹に一発ずつ見舞ってやった。
音もなく、光の速さで。
「ぐはっ」
「おえぇっ!!」
一瞬の後に前屈みにうずくまる男達。
何が起きたのか全くわかっていない。
「きゃっ……何!?」
「よっ」
困惑するダリアをよそに、降って来たタルトをラタルは両手で大事そうに受け止めた。
そしてダリアの手を取り、最後に彼らに一言謝罪した。
「手加減したんだが下手くそですまなかったな」
輝く笑顔で言ったのに、彼らはすっかり延びていた。
コンビニの中からは臆病な店員と客から拍手が起こっていたという。
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