ラタルの恋物語2
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色んな話をしながら楽しい食事の時間は過ぎ、まったりとしたところでタイミング良くラタルの携帯が鳴った。
「もしもし」
席を立ち、会話をしながら自分の部屋へ戻るラタル。
リンは片した食卓にワインとチーズだけを出して晩酌へ入った。
クラピカと互いのグラスにワインを注ぎ合い、二人でラタルの話をした。
「子供の成長はあっという間だな。
数カ月見ないうちに体つきはもう別人だ。
背も随分伸びた」
クラピカは微笑みながらワイングラスを揺らす。
『うん……親が必要無くなっていくのはすっごく寂しいけど……安心かな。
あの子なら何があっても誰も裏切らないし、周りの人を大切にしてくれると思う』
クラピカが注いでくれたワインをグッと一気に流し込み、長い溜め息をつくリン。
「おい、早すぎる」
『余裕です』
空のグラスを突き出してクラピカに催促する。
仕方なくクラピカがまたワインを注ぐ。
『ふふふ……自分が生まれた意味だってさ。
生意気~!
クラピカにそっくりだね』
切なそうに、でも嬉しそうにリンが笑った。
「人が生まれてくるのに意味などないさ。
ラタルが生まれた事にだって意味はない。
意味を欲する程に誰かを愛し、生きているというこの瞬間こそに意味がある」
そして我々の間に生まれた子供が
誰かの役に立ち、助け、守りたいと願っている事こそが
私達の全てを報いてくれる
『……意味は自分で作っていくもの……か。
んで私はクラピカに意味を見出だした』
「私もリンに生まれた意味を見出だしたんだ。
ラタルは誰に見出すのだろうな」
人と人とを繋ぐものの中にそれを見出だしてしまったら
失った時に何もかもが崩れてしまう。
けれど人を愛し、その温もりに自身の居場所と意味を感じたのなら
そんなに幸せな事はないのだ。
必要とし、必要とされ、誰かの痛みとなり愛となる。
ラタルは?
ガチャッ……
タン、タン、タン……
二階から降りてくるラタルの行儀良い足音。
コンコン
『はーい』
クラピカとリンが二人でいると何故かラタルは遠慮してリビングにさえノックする。
リンの返事を待って遠慮がちに開かれたドアからラタルがゆっくり顔を出した。
「ちょっと出てくる」
『どこに?ダリアちゃんのとこ?』
今度はリンがラタルの返事を待たずに引き止めながら冷蔵庫を漁り出した。
「お、おい。何を……」
『ダリアちゃんに渡して欲しい物があるの!』
そう言って取り出したのはリンお手製のフルーツタルト。
「いらない!母親からなんて彼女が恐縮してしまうだろ!」
ラタルが慌てて拒否するが……
『ラタルがいない間に私達仲良くなったんだよ!
きっと喜んでくれるよ』
「え"……」
ラタルは非常に嫌な顔をしながらもラッピングされたタルトを無理矢理押し付けられ、そして無理矢理追い出された。
「相変わらずでしゃばりでお節介な。まったく……」
毒づきつつ、再びダリアに連絡を取るラタル。
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