愛を取り戻せ(キリリク)
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クラピカはすぐにそれを察知して、飛んでくる拳からまず女性を守る事を優先する動きをとった。
「きゃああっ!!」
「さがって!」
クラピカが女性にそう言って肩を押した。
そして容赦なく繰り出されてくる連打を無駄のない動きでかわす。
しかし体術はキルアが少し上だ。
鋭い拳が頬を掠めてクラピカの顔に傷を作った。
飛び散る鮮血。
女性はパニックだ。
「……っキルア!止めろ!何のつもりだ!?」
「しゃべんな!!
もう絶対許さねぇ!リンは俺がもらう!!」
突如の蹴りを腕で受けるも、アーケード内に鈍い音が響き渡る。
「っ……」
クラピカの表情が歪む。
『クラピカ!!』
その時、リンがようやく立ち上がり、泣きながら二人の間に割って入った。
「リン!」
『クラピカ、大丈夫!?
腕が……』
ボロボロと涙を零してクラピカの胸にすがりつく。
「どけよ。」
『やだよ!』
「どけ!!
こいつはお前を裏切ったんだぞ!」
『いいの!もういいんだから……クラピカ打たないで……』
涙が止まらずにオエツが時々気管まで塞ぐ。
それでもリンはクラピカから離れずに、守るようにしてしがみつく。
「……いい加減にしろよ。何なんだよ。
俺がどんな思いでお前を諦めたか……
お前をコケにされて黙ってられるかよ!」
『ごめんっ……でもクラピカを打つのはやめて!』
滲む瞳でキルアを見つめる。
震える程握り締められたキルアの拳から血が滴り落ちる。
「ざけんなっ…」
二人の様子にクラピカはすぐに状況を察し、成程といった溜息を漏らした。
「……お前達、どうやら誤解しているようだが……
私は女性問題など断じてない」
そう否定しながら人目につかぬよう通路に背を向け、ホーリーチェーンで折れた腕を治す。
「じゃあ誰だよ、その女!」
キルアがすかさず追求する。
クラピカは路地の隅で固まっていたその女性を呼び寄せ、リンと向かい合わせた。
『…………』
な、なんのつもり?
が、率直な意見。
濃い化粧、桃色の髪をクルクル巻いてフワフワとフェミニンな恰好。
とても可愛い女性だ。
………しかし………
あ、あれ?この人……
………まさか!!!
リンの口がパカッと大きく開いて、恐る恐るその女性を指差す。
『………ね、ネオン……様……?』
「…………久しぶり、リン……」
それは数年前までクラピカが働いていた、そして昔はリンも護衛を勤めたノストラードファミリーの娘、ネオンであった。
「びぃっくりしちゃった~~、誰かと思った!
リンだったんだぁ!脅かさないでよね!」
カラカラ笑ってリンの体を抱きしめるネオン。
リンはもう訳がわからず混乱している。
「たまたま会ったんだ。
買い物に付き合うよう言われて丁重にお断りしていたところだ」
『え"………』
なんたる勘違い!!
しかしこのタイミングでなんたる偶然!!
でも……
『じゃあ……なんで?他に好きな人ができたんじゃないなら何で私に冷たかったの?』
今まで散々悩んでいた事が流れに任せて口から零れ出た。
あまりにも自然に。
「……それは………」
クラピカが眉を寄せ、目を細めて視線を尖らせる。
キルアとネオンの見守る中、二人の空気が変わる。
「お前、私に何か言う事はないか?」
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