愛を取り戻せ(キリリク)
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とりあえずクラピカが冷たい理由は後回し。
元の彼に戻ってから確かめる事に。
「とにかく彼の心を奪うのよ!リンちゃんは今、片想い!!
モテモテの彼を自分のものにする為に頑張るの!」
『嘘ー…片想いなんて何年振り?
……ショックだけど楽しそうじゃないの!』
さすがはメイカも変わり者。
話が変な流れになってしまった。
「まずは新鮮さを出さなきゃね。
いつもと同じ日常に飽きたって事も考えられるから……」
電話を終えた後、リンはさっそく準備を始めた。
なんだか昔、レオリオに唆されて同じような事をした気がするが。
その名も"コスプレ大作戦!!"
『水平さん、看護婦さん、ミニ浴衣、刑事さん、白衣に眼鏡、ゴスロリ、チャイナ、メイドさん……』
ちょっと一風変わったお店で次々といかがわしい(笑)服をカゴに放り込むリン。
水平さんとはセーラー服。
刑事さんとはミニスカポリスの事。
『日替わりでこれを着ればいいんだよね。
確かに飽きないかも…
クラピカ喜ぶかなぁ?』
最初は物凄く不安だったのに、何だか楽しくなってきた。
クラピカの為にこんな事するのって久しぶり。
ラタルが見たら笑うかな?
でも、ずっとずっとクラピカの為に頑張る自分でいたいよね。
だって未だにクラピカを大好きな気持ちは毎日記録更新中。
『頑張るからね、メイカ』
そう独り呟いて、リンはクラピカが帰って来る前に第一日目のナースに着替えた。
そして夜はふけ、だいたいの定時にクラピカは帰って来た。
いつも通り駐車場に車を停め、玄関のドアを開ける。
『お帰りなさいませ、ご主人様!』
と言って出迎えたその姿は紛れもないナース。
台詞と明らかにミスマッチ。
しかし化粧といい、ポーズといい、張り切り方は半端ない。
「……ただいま……」
凝固したクラピカの、笑いたいような怒りたいような、何とも言えないその表情。
『…………お帰り』
同じ台詞を二度繰り返す失態。
だって空気の悪さも半端ない。
せっかくのナースが形無しな程にクラピカは平静だった。
その話題に一切触れないという鬼の所業に出た。
リンは自らも何も言えずに一日をナースで過ごすという、余りに悲しい事態に陥っていた。
『失敗です、メイカ師匠!
コスプレ効きません!!』
「まだ一日目でしょ?
しっかりなさーい!!」
半泣きでの報告に鞭打つメイカ。
余談だが、自身は家庭に一切不満はない。
医者になったレオリオとの安定した生活が何より幸せであった。
『でも明日からも毎日クラピカは何も言わないと思います!
とてもこの空気に耐え切れません!』
無意味に敬語。
そして解決に向かっているかどうかも不明。
「しかたないわね…。
じゃあ別の作戦で!」
『別の……?』
「これで態度が変わらなければ本気でヤバイわ。覚悟はいい?リンちゃん!」
『え!??う、うん……』
「その名も……」
"ヤキモチ妬かせるぞ大作戦!!"
「で、なんで俺なんだっつの!
お前舐めてんだろ、俺の事!!」
『ちが、舐めてない!!
でも他にクラピカがヤキモチ妬きそうな人がいないの!!
私にはキルアしかいないのよ~~~!!』
そう。
そんなこんなで作戦実行に選ばれたのはキルア氏。
毎度のクラピカの対応を考えると他にいないのは確かだった。
『ごめんね!でも私ホントに困ってるのよー!』
「お前さ、俺の事なんだと思ってるわけ!?」
『大事だよ!クラピカもキルアをライバル視してるしさ!!』
「クラピカがもし浮気してたらどーすんだよ」
『浮気!?浮気!?
ないよ……ないよね。浮気とかないよ!
クラピカに限って有り得ないから!!』
「例えば!!(怒)
つーかお前が最初に言ったんだろ!」
『とにかくキルア、私とデートして!
お願い!!』
「………!!!」
夢のようなその台詞が、全てはクラピカにヤキモチを妬かせる為。
信じられない冷徹な女だ。
なのに逆らえない自分。
何はともあれ、リンとデートは美味しい話。
「…ま、いいぜ。仕方ねーからデートしてやるよ」
ワクワクなんだか、ドキドキなんだか、イライラなんだか。
でもこんなイベントは久しぶり。
久々に枯れた恋心が蘇る。
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