亀裂?秘密?愛の形(キリリク)
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リンの言葉にクラピカも声を荒げる。
「結局お前はいつも自分が思う最善を貫けていないではないか!
他を想うのであれば行動を改めろ!」
『あーつまりあれだよね!!
クラピカは私が浮気してるんじゃないかとか疑ってる訳じゃないんだよね!
つまりは隠し事が嫌なんだよね!
でもさ、嘘も方便とか言うじゃん!?
内緒にしてた方がうまくいく事もあるって事じゃん!!』
「お前が私と同じ立場に立ってそれを受け入れられるか甚だ疑問だな!」
『そーだけど!!』
「やはりか!!」
熱戦を極めている。
両親の夫婦喧嘩を間近で見学しつつも、ラタルは平常心だった。
何故なら会話の根源が二人を繋ぐ愛情を表していたからだ。
「これ、何だ?」
『ん、……えっ!?』
不意のラタルの問い掛けにリンの答えが鈍った。
何故なら……
『ちょ!!!返しなさいっ!それは……!!』
ヒソカが帰り際にリンに渡した小さな箱。
それがいつの間にかラタルの手の内にあるではないか。
『ラタル―――!!!』
グレスじゃあるまいし。
スリの達人か。
(グレスは下手だったけど)
「悪いが、中身をあらためさせてもらうぞ」
『ぎゃああああっ!!』
不細工な悲鳴を無視して、ラタルがその小箱を開封する。
その中身とは―――――
「これは……………」
ラタルの瞳が大きく見開かれた。
その全身の動きも止まり、強張った顔で箱の中身を凝視している。
『……………』
「……………」
リンとクラピカもそんなラタルの様子から目が離せない。
まだリンも中身を確認していない為、ラタルの予想外の反応に嫌な予感が走る。
『ちょっ、何だったの?
見せてよ!』
「ラタル?」
ラタルは何も言わずに蓋を閉じ、瞳を伏せた。
そして黙ったままそれをクラピカに渡した。
クラピカとリンは顔を見合わせ、渡された箱をゆっくりと開けてみる。
そして………
『…っ!!』
「!」
二人は思わず同時に息を呑んだ。
掌に乗る程の小さな箱。
そこに納められた
一対の……緋の眼。
『これ……』
リンが両手で顔を覆い、困惑している。
クラピカはただ静かに箱の中を見つめている。
「母さん、ヒソカと緋の目に関して何か話でもしていたのか?」
『え…え?ううん……
でもずっと前に一度…残りが一対になった事は話したかな……?』
でもヒソカが見つけてくれたのだろうか?
あの気まぐれで薄情でイカれた奇術師が?
どうにもピンとこない。
『あ……』
リンが何かを思いついたようにハッとして声を漏らした。
「どうした?」
クラピカがゆっくり顔を上げる。
二人の視線がリンに向けられた。
まさか………
これを見つけてくれたのは………
リンの瞳に涙が溜まっていく。
不思議そうに眉を寄せるラタルの隣で、クラピカが口を開いた。
「……成る程。
お前が何故ヒソカに会っていたのか、そして何故それを私に隠していたのか
……納得だ。そういう事か」
全てを理解し、クラピカは力なく微笑んだ。
「どういう事だ!?」
訳がわからずにラタルが二人を見比べる。
『ごめん……ごめんなさい、クラピカ……』
泣きながら謝るリン。
ごめんなさい
………許すわけ、ないだろう………
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