亀裂?秘密?愛の形(キリリク)
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だが、そうは言ったもののこれ以上近付けば確実に気付かれる。
ヒソカの事だ。
仮に今気付いていても知らぬ振りをしているだろう。
ただこのまま指をくわえて見ているわけにはいかない。
どうするか。
身動き取れずにそんな事を考えていると、リンがヒソカに手を振り、ヒソカが去ろうとするのが見えた。
「……どうやら行くようだな」
ラタルが何故かホッとしたように呟く。
「みすみす逃がすか。行って追求するぞ」
怒り心頭のクラピカが木陰から一歩足を踏み出し、またしてもラタルに止められてしまう。
「待て父さん!
問い詰めるなら母さんだけで十分だ。
少し待とう!」
ヒソカと会うと必ず面倒な絡み方をしてくるから会いたくない
という本音は伏せつつ。
そして去り際のヒソカがリンに小さな箱のような物を投げ渡すのが見えた。
……?
何だ?
と思うが早いか、次の瞬間にはヒソカの姿は忽然と消えていた。
相変わらずおかしな奴。
クラピカは小さく舌打ちをする。
「さ、行こう。母さんに事情を聞きに」
「事情など関係ない。
私に隠れながらヒソカと会っていたという事実だけで十分だ」
「え………」
つまりは何だ?
どういう意味だ?
ラタルはみるみる青くなる。
「ま、まさかだろう父さん……まさか。
だとしたら俺はどうなるのだ?
俺は反対だぞ!」
口は笑っているのに青い。
口調が焦っている。
「……お前、たまにリンそっくりだな。そういうところ」
足の進まぬラタルを尻目にクラピカがクスッと笑いを零した。
「言い訳があるなら聞くが」
『う……え!??
クラピカ!?ラタル!!』
踵を返し、帰路に向かおうとしていたリンの前に恐い顔で立ちはだかるクラピカ。
その後ろで暗い顔のラタル。
『何?どうしたの、珍しい……散歩?』
「ヒソカと会っていたようだが何の用だ」
『あ…………』
リンは正直者だ。
表情だけで『まずい!!』という心の声まで聞こえてきた。
『あ、あのね……その……今日はたまたまなの。
ゴンのとこから帰って来る途中に』
「今までも何度か家に来ていたそうだな」
『…………』
冷徹なクラピカの声。
リンがいたたまれずにラタルに視線を向ける。
「……口止めされた覚えはないぞ」
『えー……』
…そりゃあしてないからね
『クラピカに内緒だよ』
なんて……
私のポリシーに反する
リンは仕方なく覚悟を決め、彼等二人に頭を下げた。
『秘密にしててごめんっ。
でも別にヒソカと会いたくて会ってた訳じゃないよ』
「奴の用件は何だ」
『それは……』
長続きしない会話。
リンがすぐ口ごもるからだ。
―――母さんは抜けてるなぁ。
何も言い訳を用意せずに謝るだけで済むわけない。
上手く立ち回れない、なんて不器用な人だ……
ラタルは見ていてもどかしくなり、怪訝そうにリンに視線を送る。
『何でも……ない』
「この上、まだ隠す事があるのか」
『違っ、……あ、でも……え?
えっと、てゆーかクラピカは何をそんなに怒ってるの?』
「何をだと?
お前は私がお前に秘密でセンリツと会っていたら」
『あ――――っっ!!!
またセンリツ!?出た出た、すぐにこういう例えでセンリツ出す!
やっぱりクラピカはセンリツ気に入ってるんだぁ!』
「話をすり替えるな!
誰でもいい、メイカでもメンチでもネオン=ノストラードでも!」
『良くなぁぁいっ!!全部良くなぁぁいっっ!!』
「とにかく!
お前がコソコソあの奇術師に会っていた理由は何だと聞いている!!」
『そんなのクラピカに言ったら怒るに決まってるから言わないもん!!』
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