師匠目線の過去話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
マジ、その言葉にはかなり引いたし、素になった。
金目当てかと思ったが、どうも違うらしい。
要は戦力が欲しいんだな。
ほら、俺って使えるから。
でも溜め息出たぜ、流石に…。
ま、仕事は楽しいがハンター仲間に執着があるわけじゃなかったし。
死にかけてた俺を休ませ食わせして看病してくれたのは本当だった。
あん時はマジで助かったんだ…。
そいつを裏切る事はできなかった。
止める事も。
入団の誘いに承諾し、俺はその日からハンターと盗賊団、二足の草鞋を履く事となった。
バレなきゃ済む。
軽い気持ちじゃねーが、たいして悩みもしなかった。
ぶっちゃけ、孤児院出てからネテロじいに会うまでに人殺しなんて山ほどしてたしな。
盗賊やる事に意外と罪悪感がないのにも、自分でちょこっとびびった。
15で一人になって、17でハンターになって、18で二足の草鞋。
忙しい俺。
激動の10代。
多分、俺じゃなけりゃ無理だったはず。
俺は執着しない。気にしない。悩まない。
それで近付く女もいりゃ、離れる女もいた。
でもその性格で俺は助かった。
考えずに生きる。…楽だった。
そんなある日、盗賊仲間の一人が面白い情報を持って来た。
「地図見ろ。…ここ。
この世界一広い海の真ん中に、すんげー小さな島があんだよ。
ここにさ、生まれつき体に宝石を山ほどつけた一族がいるらしい」
仲間たちは興味深々でそいつの広げる地図の周りに集まってきた。
「んでな、そいつらの体、殺してホルマリンに浸けて売ると、一生遊んで暮らせる金が手に入るんだと!!」
皆はわぁっと沸き上がった。
「誰に聞いたんだ、それ」
「昨日殺したホームレス」
そんな会話で爆笑したりした。
とにかく、皆その頃は面も割れて好き放題できなかったし、暇だったんだ。
その噂が本当か嘘かよりも、とにかく暇を潰したかった。
仲間八人で船をかっぱらい、コンパス1つで海に出た。
途中嵐に遭遇したり、航海はかなり危険極まりないものだった。
また、俺たちが盗って来たのは小さな帆船だった。
…そりゃもー最悪。
着く頃にはボロ船よ。
そして30日かかってようやく着いたその島。
そこはまるで楽園だった。
空気は澄んで、その島の周りだけ見た事もない程海が綺麗で、珍しい木々には色とりどりの美しい果物が沢山なっている。
聞こえるのは鳥の鳴き声と海の音だけ。
着いた瞬間、皆言葉を失った。
本当に楽園はあったんだ…。
そんな感じでただ足を止め、その景色に目を奪われた。
しかし、すぐにハッと我に返った。
―──こげ臭い。
しかもこれは………
人の焼ける臭い──!
仲間と目を合わせ、すぐに島の中心に向かった。
そして、そこで見た光景は───
・