師匠目線の過去話
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俺の名前はアルト・スカルティア。
生まれは知らん。
孤児院で育ち、15で追んだされた。
その孤児院でも、何故か昔から俺だけ虐待されて、毎日傷だらけだった。
罵声と暴力、迫害、孤立……
地獄っちゃ地獄だった。
そんなんでも俺にはひとつ自慢があってさ。
他の奴には見えねえ物が見えたり、できねえ事ができたりするんだ。
孤児院を出て一人で生きるようになり、自然とその力の正体を知る事ができた。
ネテロってじーさんに出会った時に言われたんだ。
「その"念"、誰に教わった?」
ってな。
ネテロじいに会ったのは自分なりに強くなろうと思って修行する為に山奥へ篭りに行った時だった。
じじいが一人で滝に打たれてやがったから殺して金でも奪おうと近付いたんだ。
そん時は結構自分が強いって事を自覚してたし。
なんとなく強そうなじじいだとは思ったが、まー楽勝だろうってな感じでさ。
ま、すぐにその自信は粉々に砕かれちまったけど。
一発食らってからは本気で向かって行ったのにまるで歯が立たなかった。
最後は土下座なんかしてた。
笑えるよな。
そんな俺にネテロじいが言ったんだ。
お前はハンターになれって。
何だそりゃ、鳥か動物かの狩人か?って最初は期待もしてなかったが、とにかく行く宛ても金もない。
言われるがまま試験を受け、楽々と合格して俺はハンターになった。
その日から俺の人生は変わった。
ネテロじいの紹介で次々と任される仕事は、悪者を取っ捕まえるという、かなりかっこいいもんで
しかも金はがっぽり貰える。
俺は夢中で仕事をこなした。
仕事が楽しくて楽しくて、金も名誉も取り放題。
女にも不自由しなかった。
俺みたいなのをブラックリストハンターって言うらしい。
そんなんどーでもいーけど。
強い敵ばっかだったが、そいつらを倒して捕まえる度に、自分の強さを再確認できるのが一番爽快だった。
俺は修行も好きだった。
念についてもかなり勉強した。
強くなる為に、強くなりたくて、それだけで生きていた。
初めて人生捨てたもんじゃないと思ったし、ネテロじいに感謝した。
──そんな時だった。
昔、孤児院を出されてすぐに、路頭に迷って死にそうになってた俺を助けてくれた仲間から連絡が入った。
「よぉ、ハンターになったらしいな。
俺ら、でけぇ盗賊団を結成したんだぜ。情報くれよ」
…いや、まぁ、そんな事やりそうな奴らだとは思ってたけどさ。
笑いながらかわそうとしていた俺に、そいつはこう続けた。
「お前も入れよ。
…昔、助けた恩、返してくれるよな?」
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