ある夜の会話
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クラピカと過ごす静かな夜。
月明かりだけが窓から差し込む薄暗い部屋の中、ベットの上でいつも通りクラピカに絡みつくリン。
寝付きの悪いクラピカは瞳を閉じて眠りを促しているようだ。
でも呼吸のリズムでまだ起きてる事がわかる。
『ねぇクラピカ…』
「早く寝ろ」
まだ何も言ってないのにスパッと一蹴されてしまった。
『……聞きたい事があるんだけど……』
リンはめげずに話しかける。
クラピカからは不機嫌そうな声で一言「なんだ」と返ってきた。
リンはずっと聞きたくて、聞くタイミングを失くしていた大切な事を聞いてみた。
『クラピカはさ……私のどこを好きになったの?』
クラピカが閉じていた瞳を少し開き、天井を見つめる。
「……真面目な質問か?」
『もちろん』
真面目じゃなかったらどう返してくれるつもりか。
「……そうだな……………………………………………………………………わからない」
『……え?』
「……言葉にしようとするとイマイチ……丁度いいものがない」
『え、でも色々あるでしょ?細かいとこでもいいんだけど』
「ん…………明るいところ………だろうか…?
側にいると励まされる」
『他には?』
「………………………………………………………………正直な所……」
『それから?』
「…………………………………誠実な所………」
『後は?』
貪欲に次々と答えを求めるリン。
「ひとつひとつ挙げればキリがないだろう」
『それでも聞きたい。納得したい』
「……お前は私がお前を好きな事に納得していないのか?」
『正直理由はわかんない。他に素晴らしい人は山ほどいるのに何で私で手を打ったのかな~と』
「それはお互い様だろう」
『そんな事ないよ!!クラピカ以上の人なんてこの世にはいないもん!!』
リンは上体をガバッと起こしてクラピカの胸の上に乗りかかった。
「……私にとってもお前以上の女性はいないよ」
『嘘だよ!私より美人な人も私より性格いい人も沢山いるよ!!』
リンは必死になってクラピカに詰め寄る。
クラピカはふっと小さく笑って、胸の上に置かれたリンの手を握った。
「…本当に何故だろうな。お前の喧嘩っ早いところも、抜けたところも…泣き虫なところや怒った顔も……
今は全てが私にとって必要なものだ」
『……クラピカ』
リンのしかめっ面が静かに消えてゆく。
「人を愛するとは不思議なものだな。理由は確実にあるはずなのに……自分でもわからないのだ。
お前がリンだったから……私は好きになった」
リンを見つめる穏やかな瞳。
見下ろすクラピカの微笑みがあまりに綺麗で優しくて、リンはふと涙が出そうになり、クラピカの上から離れてポスンとベットに寝直した。
『……ありがと。何となくスッキリした』
涙を堪えている事を悟られぬよう、少しそっけなくリンが言った。
クラピカがゆっくり起き上がり、リンの顔の横に両腕をついて額を重ねた。
『!!』
突然の事にリンが驚き体をビクつかせた。
「…こうしてベットに倒した時の…少し不安気で戸惑ったようなお前のその目も好きだよ」
いつもより色気を含む低い声でクラピカが囁く。
そしてそっとキスを落とした。
側にいるようになって一年以上経つのに、リンは未だにキスするだけで紅くなる
肌を重ねてもいつもどこか慣れなくて……
そんなお前もどうしようもなく好きだ
『……っ…クラ…ピカ……っ…』
「お前でなければ…こんな事したいとも思わない」
愛してる
お前が可愛くて仕方ない
手放せない
だから…………
「ずっと、私の傍にいてくれ……」
『…ん…うん…絶対傍にいるっ……』
好きになった理由……
あるけどない
ただ
何度巡り会ってもきっと私はクラピカを愛してしまうよ
この幸せの海の中に
きっと戻って来る
この約束を運命に変えようね
繰り返される口付けに、何度でも永遠を誓うから─────
end.