遊園地デートのまき(キリリク)
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それから更に二時間が経った。
キルアとリンがいない間、レオリオとゴンは二人でアトラクションを回っていたが、クラピカは結局1つも乗っていなかった。
既に太陽も山際に消える間近で、世間には外灯も光り始めていた。
「ただいまー。はぁ、疲れた~」
『結構体力と気力使うよね、遊園地って』
滴る汗を拭いながら、ようやく二人が帰って来た。
先程のゴンの時と同じように、キルアとリンも手を繋いでいた。
それを見てクラピカはゴンの時とは違い、無言になって眉をひそめた。
その様子をキルアが敏感に察知する。
(やっぱクラピカにとっても俺は意識する対象ってわけね)
キルアは気分が良くなり、わざとリンの手を放さなかった。
すると────
「リン、最後にひとつ位、私と乗ってみるか」
クラピカがベンチから立ち上がり、リンの側へと歩いて来た。
『え、ホントに!?やった!!乗るっ!!』
リンはキルアと繋いでいた手を放し、すぐにクラピカに飛びついた。
キルアは内心クラピカに苛立ちながらも、やはりショックの方が勝って溜め息を漏らした。
「乗りたいものはあるか?観覧車でも乗るか?」
『ううん!あれがいい!』
リンが指差したもの……
それはこの遊園地のメインとも言える世界最大級のジェットコースターだった。
『ゴンの時もキルアの時もすごい行列で諦めたんだ。あ、ホラ、今空いてる!』
リンがクラピカの腕を引いて走り出す。
「恋人同士は観覧車に乗るものだと聞いていたが…」
『そうなの!?でももう恋人じゃないしねっ!』
「…そういう問題か?」
長いコースターの最前列に乗り、最初の急な登り坂をカタカタとゆっくり登っていく。
「だいぶ高くまで上がるな。こないだ乗ったのとは桁違いだ」
『うふ!怖い?怖いなら素直に言っていいよ』
「いや全く。この遊園地自体高台にあるから眺めも最高だな」
『ふーん、つまんないの』
「脅える私を見たかったのか?」
『うん!震えながら青ざめるクラピカも見てみたい!』
「いい趣味だな…」
二人は最前列でまだまだ余裕に会話をする。
そしてだんだんと頂上が近付いてくる。
『わわ、ホラ!来た来た来た……きゃーっ』
「少し静かにしろ」
『…っっっき………ゃああああああ~~~~~~!!!!!』
カタン、という一瞬の静寂の後に、コースターはほぼ垂直に落ちていった。
そして……
『きゃああああああ!!クラピカ大好き~~~~~~~~~~!!!』
リンは、皆の絶叫に負けないくらいの、それはもう大きな声で愛を叫んだ。
隣りのクラピカは思わずリンの頭をはたいてやろうかと思ったが、何度もやってくるコースターの上下する波に意識を飲まれてタイミングを逃してしまった。
『きゃあああははははは!!!!!!』
末には爆笑し始めるリンに、クラピカはすでに呆れ気味だ。
世界最大級と言えども乗ってみるとあっという間で、最後の直線に差し掛かると、「もう終わりか~」とリンから寂しそうな声が漏れた。
「………お前…………」
『え~?あはは、愛を感じた~?』
恨めしそうにリンを睨むクラピカに、リンは殊更嬉しそうな顔で笑った。
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