遅いバースデー(キリリク)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
クラピカはリンのランジェリーの上からシャツを被せた。
『い~や~!!』
「いいからこのままでいろ!」
いつになく怒っている様子のクラピカに、キルアとゴンは顔を見合わせた。
「キルアが笑うから……」
「俺じゃなくて明らかにレオリオのせいだろ!」
「とりあえず帰ろうよ。せっかくの誕生日だし。邪魔しちゃ悪いよ」
「今帰った方がリンにとってはツライだろ」
「いいから、ホラ!」
ゴンが説得し、キルアも渋々帰って行った。
シャツを着せられ、猫耳も取り上げられてしまったリン。
『なんで!?クラピカは嬉しくないの!?』
「お前にそんな格好をさせて一体何を喜べと言うのだ」
『だってレオリオがこれなら絶対クラピカは落ちるって………』
……口にして今更ながら気付く。
この作戦、主旨が変わっていた事を。
「落ちるって…私を今更落としてどうする?」
『……ですよねぇ』
レオリオ…何て酷いお方
まんまとやられてしまった……!
愕然と項垂れるリン。
『……私のこんな格好嫌い?』
「どんな格好をしていても嫌いではない。
だがキルアとゴンの前であんな格好をされては困る」
『ああ……うん。ごめんなさい……』
反省するリンを見て、クラピカが微笑みながら溜め息をついた。
「これは返してやる」
そう言って猫耳をリンの頭につけた。
「ちょっと可愛い」
『え!?ホント!?』
パァッと笑顔を咲かせるリン。
「料理もうまそうだな。
キルアとゴンも食べていけばよかったのだが」
『だね!でもクラピカの為に作ったんだから沢山食べてね!』
そう言ってクラピカの腕を引き、食卓に着かせた。
『はい、あ~~~ん!』
「……自分で食べられる」
『ちょっとは私の作戦も実行させてよ~』
「ところでその作戦、一体誰が考えたものだ?」
『レオリオ』
「……………………。
(やはりか…)」
『はい、あ~~~~ん』
しつこく迫るリンに、クラピカは仕方なく口を開けた。
『きゃあ~~~可愛い、クラピカ~~~』
クラピカは諦めの溜め息を吐く。
リンはとってもご機嫌で酒もグイグイ進む。
「あまり飲むな。酔ったらお前はタチが悪い」
『そう!?でもなかなか酔わないし。
あ、そうだ。この作戦のメイン、やってもいい?』
「?メイン?」
リンは椅子から立ち上がり、クラピカの足元にひざまづいてシャツを脱いだ。
そして、火照った顔で切なそうな表情を作り、いざ!
『プレゼントなくてごめんね……私をあげるから許して!』
精一杯お色気ムンムンで言ったつもりだったが、クラピカから見るとそれは色気よりも子供らしさが強調され、あまりにも可愛らしい姿だった。
小さい胸にキュッと谷間を作り、丸い目で上目使い。
「ぷっ……」
『えっ!?』
クラピカがクスクス笑ってリンをギュッと抱き締めた。
『???く、クラピカ…………』
笑われた事を疑問に思いながら、クラピカの胸の温もりに甘えるリン。
「……もう…愛しすぎてどうにかなりそうだ」
その想いを全て腕に込めてリンを力一杯抱き締める。
「本当にこのプレゼント、貰っていいんだな?」
『えへへへ…こんなんで良ければ』
「何より嬉しいプレゼントだ」
『あははは!んも~ばか!』
作戦はのっけから失敗に終わったが、メインだけは大成功だった。
『遅くなったけど、誕生日おめでとう、クラピカ!』
「ありがとう。最高の誕生日だ」
抱き締めあい、微笑む二人。
若干レオリオに信用なくしたけど(笑)クラピカが喜んでくれてよかった!
来年もその次も、ずっとずっと一緒にお祝いしようね。
生まれてきてくれて、本当に本当にありがとう、クラピカ!!
end.
→後書き