遅いバースデー(キリリク)
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二人でテーブルに着き、買って来たサンドイッチと紅茶を出すリン。
リンはクラピカの不安など微塵も知らずに無邪気な顔でサンドイッチを頬張っている。
「…一体こんな朝早くから何の買い物があったんだ?」
『え~?内緒~』
何やら嬉しそうにニヤニヤしているリン。
「目が覚めて姿がなければ心配するだろう。出かける時は声をかけてくれ」
『あ、ごめんね!眠ってるとこ悪いと思って。
クラピカが起きる前に帰ってくるつもりだったんだけどクラピカってば早起き』
本当に鈍感なリンの態度に内心まいっているクラピカ。
お前がいないとわかった時のあの気持ち……
わかりはしないか……
クラピカは朝から重い溜め息を漏らす。
『あ、ねえクラピカ。今日は早く帰って来れそう?』
「状況次第だが、今のところは安定しているから何もなければ早く帰れると思う。
……何かあるのか?」
『へへ。今日はクラピカの好きな物作って待ってるね!』
「…………?」
とにかく今日は機嫌がすこぶる良いらしい。
リンは仕事に出掛けるクラピカを笑顔で見送った。
『さてと!さっそく準備にかかろうかな!』
とりあえずメインのケーキは先に焼いておこう
…あ、間違った
メインは私!だった!
ノストラードの屋敷の廊下を歩きながら、比較的に落ち着いた仕事状況で、クラピカは今日のリンの不審な態度が気になっていた。
「クラピカ!リンが退院したそうね。よかったわね、本当に」
『ああ…ありがとう、センリツ。
しかし今朝の態度がどうもおかしくてな。
何か隠している気がする」
「え?リンが?」
「朝から出掛けていたかと思えば、帰ってくるなり妙に機嫌が良かったり」
「浮気?」
「それはないな」
「あら。以前よりもっと確信が強まっているわね。心音にも感じられるわ。もしかして…プロポーズでもしたの?」
センリツが試すように微笑みかけると…
クラピカはセンリツから瞳をそらし、少し間を空けてから答えた。
「……籍を入れたんだ。昨日」
「え?本当?結婚したの!?」
「……他言無用だぞ。ボスにだけは報告済みだ」
「おめでとう!本当に良かったわね!嬉しい…リンを幸せにしてあげてちょうだいね!」
センリツは本当に嬉しそうに笑い、クラピカに心からの祝いの言葉を送った。
「ありがとう」
クラピカもそんなセンリツの祝福を受け、穏やかな微笑みを浮かべた。
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