遅いバースデー(キリリク)
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「……で?結局決まったのかよ、クラピカへのプレゼント」
『いや、まだ。レオリオに電話したら " プレゼントは私よ大作戦 " を教えてくれたからそれは実行しようと思ってるけど』
「はぁ?なんだその超くだらなそうな作戦は。内容は想像つくけどクラピカ相手にはハズしそうじゃね?」
『それが私も馬鹿にしてたんだけど内容聞いたら結構深いよ!!ちょっと挑戦してみる!』
「へぇ~、どんな内容?」
『いや…それは言えないけど…』
「何だよそれ。気になるだろ」
『やー、想像されちゃうと困るし…ふふ…』
「(カッチーン!)
…あっそ!じゃあ勝手にしろよ!」
ブチッ……
ツー、ツー、ツー………
『ええっ!?切られちゃった……何で!?』
作戦の内容を教えなかったから?
やっぱ何だかんだ言っても子供なんだからキルアは……ったく………
リンは仕方なくゴンに電話をかけ直した。
『キルア怒ってる?』
「気にしなくていいよ!ただのやきもちだと思う。」
「余計な事言うなっつーの!」
電話口から聞こえたキルアの声にホッとし、リンは「謝っといて」とだけ伝えた。
『さてと、朝まで待ちきれないし。デパート行こ』
リンは寝ているクラピカの頬にキスをして、さっそく「プレゼントは私よ大作戦」に必要な物を買いに出掛けた。
朝目が覚めたら、隣りで眠っているはずのリンがまたしてもいなかった。
クラピカは目を覚ますのと同時に飛び起き、家中を探し、リンの名前を呼んだ。
昨日退院したばかりで体もまだ本調子ではないはず。
一体どこへ………
クラピカの頭の中に、リンを浚われたあの日が蘇る。
あの前日、今日と同じように目覚めるとリンが消えていた。
あの日は帰って来たが、もしかしたら今日はもう帰って来ないかもしれない……
クラピカの胸に一気に広がる不安。
昔はほんの少しの物音でも…いや、気配だけでも起きていたのに
リンが隣りにいるようになって、私はいつの間にか毎日深く眠りにつくようになっていた…
「リン……」
心臓が激しく波打つ。
まさか……
またこの手から消えてしまうのか…………
その時だった。
『………ただいま。
わっ!クラピカってばもう起きてたの?早いなぁ~!!』
玄関の扉をそーっと開け、忍び足で家に入って来たリンが、クラピカを見て驚いている。
『あはは、ごめんね、ちょっと買い物に…
あ、ホラ、遅くなったのはデパ地下のパン屋さんが焼きたてを五時半に出すって言うから待ってたの。見て!これ!あのパン屋さんのサンドイッチ美味しいんだよ!しかも出来立て!!
食べよ?顔洗って来たら?』
帰って来るなり一方的にまくしたてるリンに、クラピカは呆けた顔で立ち尽くしている。
……人の気も知らないでこの娘は………
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