誰にもあげない(キリリク)
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その手の温もりを感じて、リンの心は深く安心感に包まれていった。
『ワガママ…ばっかしでごめんね……私……クラピカの全部が……欲しい………』
真っ赤に染まった顔を伏せて、消えそうな位に小さな声でリンが言った。
しかし、クラピカの耳にはしっかりと届いていた。
「私の全部……お前に捧げているつもりだが?
他にまだ何か忘れているものがあったか?」
『~~~~んも~~、違うんだよ………
言いにくいんだけど……
てゆーか言っても無理だし………』
「言ってみなければわからない。教えてくれ」
『……あのね、クラピカにはね、本当は私の事だけ……考えて欲しい……クラピカの目に他の女の子が映るだけで……イヤ………』
………くぅ~~~っ
これは一体何のはずかしめ!?
もぉ耐えきれない位情けないんですけど!!(泣)
ホントに言わなきゃいけなかったのかな?
ああ、もう恥ずかしい………!!
「つまりはお前以外とは話すな、見るな、考えるな、という事か?」
『はは…いや、そんな命令形じゃないけども…』
抜けた笑いで、もうどうにでもしてくれ状態。
嫌われるかも………
そう思ってすっかり沈みきってしまったリン。
しかしクラピカはリンを引き寄せて額を合わせると、柔らかく微笑みながら言った。
「…気が合うな。
私もいつもそう思っていた」
『……クラピカも?』
「ああ。いつもリンと同じ気持ちだったよ」
息が触れる位の至近距離で、二人が見つめ合う。
リンの心臓はバクバクうるさく鳴っていた。
「キルアやクロロに限らず、お前が他の男と話したりするのは面白くない。
仕事仲間とはいえ、シャルナークと組ませるのも本当は心配なのだ」
『シャル……全然好きくないけど………』
「そういう問題ではなく、ただお前を誰にも渡したくないという子供じみた独占欲だ。
……笑ってくれて構わない。本当の事だからな」
『クラピカ……
じゃあ私の事、嫌いにならない?いやになったりしない?』
「まったく。そんな事で嫌いになる訳がなかろう」
『でも私、クラピカの幸せだけを思って生きると決めたのに……全然守れてないし………』
「そんな無償の愛情など欲しくはない。お前が私を必要として求めてくれるなら、その方がいい……」
ゆっくりと目を閉じて、クラピカはリンの唇に自分の唇を重ねた。
そして何度もキスをしながらリンの頭の後ろに手を添えると、空いた手で座席を倒した。
『ひゃああ!!び、びっくりした!!』
「襲われでもしたような声を出すな。誤解されるだろう」
『いやっ、でも、えぇ!?ど…どうするの!?』
「心配しなくてもこんな所で何かするつもりはない。ただ少し抱き締めるくらい、いいだろう」
クラピカはリンの返事も聞かずに覆い被さるようにしてまた抱き締めた。
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