誰にもあげない(キリリク)
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クラピカが好き
大好き
愛してる
私、クラピカの為に生きるって決めた
……んだけど……
『クラピカのばか!!』
「こら、待て!リン!」
クラピカなんか、もぉぉ知らないよっっ!!
リンは家を飛び出し、あっという間に走り去った。
リンの足の速さを重々承知しているクラピカは追う前から諦め、車に乗り込んだ。
出会ってから初めての大きな喧嘩。
原因は──────
リンの嫉妬だった。
事の発端は仕事でのペア行動の件。
忙しいビジネス活動や組に正式に来た依頼をこなす為に奔走していたクラピカが、ようやく一段落ついて護衛の仕事に戻ってきたのに、ペアで仕事をするのはいつの間にかリンではなくセンリツになっていた。
もともと戦闘向きではないセンリツをフォローする為にこういう組み合わせになったのだが、最初からクラピカと組んでいたリンは心中穏やかでない。
しかも廊下や駐車場でたまたま見掛ける二人の様子は、それはもうむつまじく、クラピカの笑顔も穏やかだった。
だいたいノストラードの護衛団に入る時だってクラピカは面接にセンリツを連れて来て判断した。
それはよっぽど信頼している証拠。
(───大丈夫。私はクラピカのお嫁さんなんだし、自信持たなきゃ)
そう自分に言い聞かせていた。
だけどそんなある日、リンとクラピカは衝突する事になった。
「だから何度も言ってるだろう。遅くなったのはセンリツと食事をしてきたからだと」
『センリツと二人で!?
何で私も誘ってくんなかったの!?』
「まだ寝ていると思ったのだ。しかし一体何がそんなに不満なのだ?」
クラピカは疲れて帰って来るなり責められ、かなり不機嫌だった。
『だって……私待ってたのに……クラピカが忙しいんだと思って仕方なく家で待ってたのに……』
「たった今まで寝ていたではないか」
『寝ながら待ってたんだよ!それを……他の女の子と食事って!!』
あ、ゆっちゃった!!
でももう止まんない!!
『私と結婚したのに何でセンリツとご飯食べるの!?』
「お前も疲れているだろうから作らせるのも悪いと思ったのだ。
しかも別に酒でも飲んで来たわけではない。完徹明けに朝食を一緒にしてきただけだろう」
そう。只今の時間、午前七時半。
『夕食か朝食かなんて関係ないもん!センリツだって私がいるの知ってるのに……そんな時間があるなら一秒でも早く帰って来て欲しかった!』
声を荒げて叫ぶように訴えるリン。
クラピカは帰って来てから一度も座る事もなく立ち尽くしたまま、頭を抱えて溜め息をついた。
「………悪かった。次はないようにする。まさかそんなに嫌な思いをさせるとは思わなかったのだ。
しかし、センリツの事を悪く言うのはやめろ。
誘ったのは私の方だ」
ゆっくり上げられたクラピカの顔は、疲れきった表情だった。
────なにそれ!
センリツの事かばうんだ!
そんなに大事なの!?
しかもクラピカから誘ったって………
嫌だ、違うでしょ、私!!
明らかに私が悪い!!
今の私はクラピカの為になんか生きてないじゃん!
こんなに疲れさせて、困らせて………
居心地のいい場所になりたいっていつも思ってるのに………
こんな私は嫌いだ!
でも……………
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