ルル
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一方、私には、姉様とは全く違う感情が湧いていた。
羨望、絶望、嫉妬、諦観…
"姉様、綺麗な蝶々よ!"
"ほんとうね、綺麗だわ"
―――同じものを見て同じように感じる事ができた私の心は、一体どこにいってしまったの?
どんなに幸せなものを見てもこんな汚れた感情しか生まれないなんて
もう、消えてしまいたい―――
「う……う……っ……」
「……ルル?泣いてるの?どうしたの?」
「ね…姉様……私……私……」
「なぁに…?」
「もう、私……みんなと違うわ……」
どうしようもなく悲しくなって、涙が止まらなくなった。
あの祝福の鐘は、花びらは、私の頭上に降る事はない。
代わりに何度も、何度でも
あの夜の生暖かい真っ赤なものを被るのよ。
男性恐怖症になってしまった今、もう誰かを愛する事もない。
こんな私を愛してくれる誰かも、いるはずない。
神様の存在を諦めた私に、永遠を誓う場所はない。
他には何がある?
こんなに沢山のものを諦めてきたのに、まだあるの?
手に入らないもの…諦めなきゃならないもの…
「姉様……!私はもう何も望まないわ!!だから……だから姉様……!」
「もういいの!言わなくていいわ、ルル……!」
ラーナ姉様は私を背中から強く抱きしめ、嗚咽を漏らしながら泣いていた。
全てを言わなくとも、いつも胸の内を悟ってくれる優しい姉様。
いつも私の為に泣いてくれる、大切な大切な姉様。
何も望まないわ
生涯、何ひとつ望みはしないと誓うから
お父様や姉様達からは何も奪わないで
それで幸せだと思えるように
それだけでちゃんと食事をする意味があるのだと思えるように、私も心の努力をするから
神様
ああ、どうか…どうか…
神様はいるわ
私は知ってるの
奇跡に溢れたこの星で、命を貰えた奇跡
私は何度も神様に助けられ、愛されながら生きてきたんだもの
例え死ぬより辛くても
たった今生きているだけで、私は恵まれていると知っているもの
自分が不幸だなんて思わない
元に戻らなくても、道がなくなる訳じゃない
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