ルル
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番の為に2~3人、外に待機している以外、小屋の中にいた仲間達はほぼ全員が寝静まった午前3時。
突入してきた数人の救助隊(後から聞けばハンターというスペシャリストだったらしい)は、奴らに抵抗する暇も与えぬような速さで、あっという間に次々と奴らに致命傷を与えていった。
辺りは一気に血の海と化した。
私はただ、ただただ恐ろしくて、声すら出せなくて部屋の隅で顔を覆いながら震えていた。
追い詰められた奴らの一人が、私を人質にしようと手を伸ばしてきた、その刹那。
どこからか飛んできた剛速の矢がその男の脳天を貫き、一瞬にして破壊したのだ。
吹き出すのは、暖かい、鉄臭い、真っ赤な…ドロドロの……
私はまた、いつの間にか意識を失っていて
まるで何事もなかったかのように
全てが悪い夢だったかのように
いつもの自室で、穏やかに朝を迎えたの―――――
「うう……っ……お母様……姉様……助けて!!」
「ルル!ルル、もう大丈夫なのよ!
全部終わったのよ、ルル!」
「だって!まだ血が落ちてない!ほら、そこも!ベッドも血だらけだもの!!」
「よく見て、ルル!ほら…明かりを付けたらよく見えるでしょう?ベッドは真っ白よ。ね?」
「ハァ…ハァ…でも…だって…」
「大丈夫よ…今日は姉様の部屋で一緒に寝ましょう。何があっても私が傍にいるから大丈夫よ」
「……ごめんなさい…ごめんなさい、姉様……う…」
「泣く事ないの。貴女は何も悪くない。
さぁ…安心してお休み」
毎夜、姉様達が代わる代わる一緒に寝てくれた。
眠れなくて…眠りについても、悪夢に苛まれて必ず2、3回は叫び起きた。
いつになったら解放されるのだろう。
私はまだ、あの暗くて埃臭い部屋の中にいた。
目を閉じれば、奴らの笑い声がすぐ耳元で聞こえ
目を開ければ、視界を真っ赤に埋め尽くす、ゴミのような死体の山。
全てが終わった?
何ひとつ、ああ何ひとつ
私の中では終わっていない
あれから男性恐怖症になり、家来や衛兵どころかお父様にすら触れられなくなり
もともと体の弱かったお母様は、心労が祟って寝たきりになってしまった
どれだけ時が過ぎても、何ひとつ元には戻らなくて
眠れない夜は続いて
そして
会う事を許されないまま、お母様は息を引き取った
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