覚醒の後(12歳、キルア視点のハンター試験中)
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本当は出ていきたいんだろう。
でも出ていく理由がない。
皆の変な勘繰りを避け、自然に席を外す理由。
クラピカは何かを怖がっている。
リンの中の何かを。
嫌いじゃないのはわかる。
でも、好きなのかって質問に答えないのは狡いと思う。
「クラピカ、俺ちょっとトイレ行ってくるから少しでも寝ろよ。
リンの言う通りちょっと休んだ方がいいぜ。顔色悪いし」
「そうだよクラピカ。俺もトイレ行ってくるし、ベッド空くよ!
そんな白い顔してたら俺達が心配だよ!」
俺に次いでゴンも起き上がり、ベッドを降りる。
「いや、別に体調は問題ないが…」
「いんや!ここは甘えて寝むべきだぜ!!
俺もついでだから便所に行く!お前は寝ろ!な!」
レオリオまで便乗し、予想外にも俺達はクラピカとリンを二人きりにする結果になってしまった。
いや、いいんだけど。
別に……好都合だけどさ。
「待てっ、お前達…!」
「じゃ、ゆっくり休めよ」
呼び止めようと椅子を立ち上がるクラピカと、ベッドの上からキョトンとした顔で見送るリンを置き去りにして
バタン――――………
扉を、閉めた。
「ね~キルア。クラピカってリンの事好きなのかな?」
「さぁ。本人に直接聞いてみたけど無理矢理はぐらかされたし」
「つーかよ、リンには悪いが恋愛感情はねぇんじゃねーか?
さっきの態度といい…仕方ないとはいえリンが不憫だぜ」
三人で宛てもなく廊下を徘徊中。
話題はやっぱりクラピカとリンの事。
同じ状況を見ていても、それぞれに受け取り方は違うんだと、内心少し驚いた。
「でも俺、二人にはうまくいって欲しいなー」
「そりゃ俺達だって同じだっつの!しかしこればっかりはな~、リンに協力でもしようもんなら更にクラピカの逆鱗に触れかねねーぜ」
「うーん……リン凄く可愛いと思うけどなー。レオリオはリンの事どう思う?」
「どうって、俺から見たらまだまだガキだっつの!ゴンはどう思ってんだよ?好きなのか?うりうり」
「だから俺は可愛いと思ってるけど」
「付き合ってもいいくらいか!?」
「いや、そういう話じゃなくて」
「そういう話だろ!!
おい、お前はどうなんだ?キルア」
「…は?」
それは、俺も自分達と同じ心境でいる事を全く疑わない、余りに悪意のない問い掛けだった。
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