覚醒の後(12歳、キルア視点のハンター試験中)
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
レオリオとクラピカはベッドの傍らに置かれた椅子にそれぞれ腰掛け、ゴンはリンに強引に誘われてベッドに入った。(って言い方、変な意味に聞こえるけど)
リンを真ん中に三人で寝転んでいると、少しだけくすぐったいような気持ちになる。
「やれやれ、お子様達は微笑ましいもんだぜ。なぁクラピカ」
レオリオが話を振るが、クラピカから返事はない。
その場に大した違和感は与えなかったが、俺には確実にこの場でクラピカが浮いているように感じた。
何しに来たんだ?
そんな態度を取るくらいなら来なければよかったのに
リンの事をどう思ってんだよ
聞いたってはぐらかすだけなのに
『ね、クラピカ!クラピカも疲れてるでしょ?
こっち来て横になりなよ!』
思いきり俺の方に体を詰めてきたかと思うと、自分とゴンの間のスペースをポンポンと叩き、リンは嬉しそうにクラピカを呼んだ。
その声にクラピカは一度小さくこちらを見遣るが
その視線はすぐに伏せられた。
「私は遠慮しておく」
『え?そう言わず!ね?おいでよ!一緒寝よ!ね?』
「……いいと言っている。お前達はゆっくり休め」
『私はクラピカと一緒に横になりたいの!来てよ!隣に来てよ!ね?』
「………」
他愛なさそうなテンションでいて、実はかなり際どい会話である事に、リンは気付いていない。
外野はそのやり取りをやたら緊迫した空気で見守る。
ゴンでさえ唖然とした顔でリンを見つめているのに、何でリンは気付かないんだ。
『……クラピカ』
声のトーンが、俄かに落ちた。
俺も、ゴンも、レオリオも、その変化にすぐに気付いた。
ハッとしたようにリンは陰りを消し、笑顔を作る。
『じゃ、じゃあレオリオおいでよ!体休めなきゃ辛いでしょ!?』
「え!?あ…いや、俺は平気だぜ。
つーかよ、さすがに俺が加わると狭すぎだろ」
『苦しゅーない、来るがよい!ははは!』
あからさまに無理している。
クラピカに伝わらないはずない。
だけど、まるで聞いていないかのようにクラピカはただ視線を空に置いていた。
・