聖なる夜の…ー後編ー
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ひとまず気を取り直し、食事を続ける事にした。
クラピカは固く「あ~ん」を拒絶し、リンから振られる他愛ない会話にも乗ってこず、ただ黙々と料理を口に運んだ。
『おいしい?』
「ああ」
話は弾まなくても、リンはそれを聞けただけで幸せそう。
笑顔で料理を取り分けたり、酒を勧めたり、かいがいしく世話を焼いた。
それなりに楽しいひと時。
食事も終わり、ゆっくりソファーでテレビを見ていたクラピカの隣に、片付けを済ませたリンがやってきて、甘えるように肩に擦り寄ってきた。
『ねぇねぇクラピカ!お風呂入んないの?お湯張ってるよ』
「ああ…そうだな。頂くとしよう」
何やらベタベタとくっついてくるリンに、もちろん不快感などは抱くはずはない。
しかし、真意が見えているので敢えてそれを振りほどいてみたりする。
『うん、それがいいよ!早く済ませちゃおう!』
……リンにめげる様子はない。
素早く着替えとバスタオルを用意し、バスルームに向かうクラピカの後についてくる。
「……なんだ?」
『今日くらい一緒入ろ!』
「は!?」
聞き間違い?
いや、しかし。
リンの笑顔は戸惑うほどに無垢すぎて。
……頭でも打ったのだろうか
「……今……なんと言ったんだ?」
『一緒にお風呂に入りましょう!!』
「………」
リンの言葉が全然頭に入って来ない。
何故って、クラピカとリンは夫婦になってからこの十数年、一度も一緒に風呂など入った事がなかったからだ。
脱衣所のドアの前。
クラピカは非常に訝しげに、警戒心剥き出しの表情でリンを見つめる。
『……え、なに?』
「……意味がわからない」
『いや、お風呂に』
「一緒に?私と?お前が?」
『うん……ダメ?』
「断る」
『えっ…なんで!?』
「断る。必要ない」
『まぁそう言わず!私がクラピカの背中を流してあげたいから!ね?
最高のクリスマス!ね?』
「別にこんな事望んで……わ、馬鹿!」
『つべこべ言わず!!じれったいよクラピカ!』
グイッと力強く背中を押され、無理矢理脱衣所に押し込められ………
ピシャリ!
扉が、閉められた。
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