聖なる夜の…ー後編ー
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「………!?」
リビングに一歩踏み入れるなり、クラピカは仰天して部屋中を見渡した。
何と、出かける前にはなかったはずのツリーが出され(クリスマスをリンが忘れていた為)、キラキラと輝かしいモールが天井や壁に目一杯飾られ、とても賑やかな雰囲気になっていた。
それだけではない。
テーブルを埋め尽くす料理の数々の、何と手の込んだ事か。
「お前……たった1時間で、一体どうやって!?」
この部屋の装飾を施すのにかかる時間、これだけの料理を用意する為にかかる調理時間、「風呂は?」と問うからには湯舟の用意もできているに違いない。
それに出来はどうあれ、慣れないリンが必死に化粧にかけた時間―――
待つ間はとても長く感じたが、考えてみると、たった1時間でこれは凄い。
クラピカは頭の中で必死にそろばんを弾いていた。
『はい!じゃあシャンパン開けましょうね!』
「ツリーは空き部屋の倉庫に直してあったはずだ。それを引っ張り出して飾り付けを済ませるだけで少なくとも15分はかかるはず…」
『ちょっとちょっと、それはもういいから旦那様!乾杯しよう乾杯!』
見ているだけで溜め息が出そうな程、美しいピンクのスパーリングロゼワイン。
二つのグラスに注ぎ、かち合わせる音は爽やかに部屋に響き渡る。
『メリークリスマス!!さぁクラピカ、何から食べる!?』
来客が多い為に買った大きなテーブルの上、手が届かない場所にまで、これでもかという程敷き詰められた料理、料理、料理。
……やはりおかしい
中には煮物まであるではないか
どう考えても1時間でこれは無理だ
悩ましげに頭を抱えるクラピカに構わず、リンは七面鳥を切り分けてやる。
『もう考えるのは止めようよ』
席を立ち、リンはクラピカの隣の椅子に腰掛ける。
『は、はい……ご主人様、あ~~~~~ん!!』
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