聖なる夜の…ー前編ー
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二人で手を繋ぎ、公園をぐるりと一周する。
普段使われている遊具も今は電飾の中。
色々な生き物や乗り物を象ったものや、大きな杉の木に施したクリスマスツリー。
『ねぇ、すっごい綺麗だね!凄いよね!!明日からは一般公開されるって書いてあったけど、今日だけは私達だけの世界!
なんかたまんなくなってきちゃうよ!!』
子供のようにはしゃぐリンを、クラピカは微笑みながら見つめる。
「楽しいか?」
『うんっ!!クラピカは?』
「ああ…楽しい」
『よかった!!』
ホッとしたように笑うリン。
キラキラと輝く世界に溶け込んで……
まるで最初からこの娘の為に用意されたのではないだろうかと思うほど、この景色がよく似合う。
『ずっと二人でここにいたーい!』
なんて、雰囲気に流されて甘い事を言ってみれば
「そうはいかない。早く出るぞ」
と、予想外にクールな反応を返された。
『えっ何で!?』
「約束、果たして貰わないとな」
先程の優しい微笑みは消え、意地悪くニッと笑って見下ろすクラピカ。
『はい?約束?なんだっけ』
「"出てくれたら何でもする、何でも言う事聞く。
今夜最高のクリスマスを私がプロデュースしてみせるから"……だったかな」
『……あ……ああ!それか!!』
ポンッと手を叩き、納得した様子でまた笑顔になるリン。
『もちろん覚えてるよ!何でもしてあげる!何がいい?
どんなクリスマスをご希望!?』
「お前に任せるよ。ただし……」
リンの顎をくいっと持ち上げ、至近距離で視線と視線を合わせる。
リンはギョッとして目を見開き、俄かに頬を上気させた。
「……絶対、満足させてくれるんだろうな?」
ニコッと無邪気な笑顔で、とことんサディスティックなオーラを纏っている。
いじめられる……!
変な想像をして勝手に焦り始めるリン。
『わわわわわかった!!絶対クラピカを満足させてみせる!
私、絶対、今夜クラピカを満足させてみせるから!!』
「え…」
『だから!!よし!!帰ろっか!?帰ろう!!うんっ!!』
…一人で会話成立してないか?(汗)
リンがあらぬ方向に張り切り出してしまったのではないかと、クラピカも内心焦ってしまう。
今夜満足させてみせる、なんて。
そんな真っ赤な顔で言われては…何だか変に照れてしまう。
「リン」
『ん!?』
クラピカの手を引き、先を歩くリンが、まだ少し頬を染めた顔で振り返る。
「楽しみにしてる。でもあまり気負うな」
今度はそんな優しくなるなんて……
クラピカはいつもズルイと思いませんか。
でも
夜はこれからだから
『今夜は絶対、負けないから!!』
宣戦布告みたいな、愛してるをぶつけてみた。
そして、私達のイヴは後編に続く訳です。
*あとがき*→