無償の愛
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「リンはお前に随分支えられているな、キルア。
…本当に感謝している」
「なんだそれ!嫌味かよ!どーせクラピカには何したって敵わないっつの!」
面と向かってリンに言われたんだから!
こんな事言わせんなって…
「そんな事はない。
リンも言っていた」
「はぁ?何を!」
一緒にいてラクないい友達ってか?
「キルアは優しくて頼れる一番の理解者、いなくてはならない存在──だそうだ。」
───────!!
「…マジ?」
「ああ」
リンが俺の事を
そんな風に言ってたなんて…
俺ホントにリンにとってそんな存在なのか?
一番の理解者。
確かにリンはもうクラピカのものだけど、リンにとっての何かの一番である事は変わりないんだ。
さしずめレオリオが " 一番安心できる兄 " で、ゴンが " 一番信用できる可愛い弟 " ってとこか?
それでも全然いい。
リンにとって、欠けがえのない存在だって
俺の変わりは他にいないんだって
例え嘘でもそう思いたい…
「…ほらな。俺意外と想われてんだよ。
油断してたらマジさらってくからな」
「ああ。もう誰にも拐われたりしないよう、しっかり掴まえておくよ」
クラピカの声は優しくて、電話の向こうの穏やかな微笑みまで見えるような気がした。
…やっぱ優しいよな。
リンが好きになる気持ちも最近はわからないでもない。
「…クラピカ…さんきゅー」
悔しいけど今は敵わない。
でもいつか───
『ねぇねぇ、二人ともいつ来るの!?すぐってゆったのにもう二週間も経つじゃん!!』
「もしもし」も言わないうちから、凄い声が電話の耳元に響いてきた。
「つーか俺らも忙しいんだって。お前も仕事あんだろ?てかクラピカは?」
『クラピカ最近仕事忙しくて帰ってこないんだもん!寂しいから泊まりに来てよ~!!』
ったく…いつまで年下の俺に甘える気だよ…
ホントに鈍感で、目が離せなくて、危機感がなくて
出会った頃から変わらず純粋だ。
悪い言い方をすれば成長しない。
良い言い方をすれば…
ずっと汚れずに、リンはリンのまま…。
それがいいんだ。
そんなコイツを好きになったんだ。
結婚しよーが、その気持ちは変わらない。
「仕方ねーなー。んじゃ明日行くよ!ゴンと二人でな」
俺もいつまでも甘いよな。
でもほら、電話口から聞こえる嬉しそうなこの声
多分、俺たちは皆これに救われてんだ。
今はまだ胸が痛むけど
目指してやってもいいよ。
お前の幸せだけを願う
無償の愛ってやつ!!
end.