聖なる夜の…ー前編ー
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クラピカもリンも互いについての質問全てに正解した。
「やるからには優勝を狙うぞ」
『うん!!』
5組のカップルから頭ひとつ飛び抜け、ポイント数はトップ。
このままいけば楽に優勝かと思われたその矢先。
《最後の競技はなんと!!……キス耐久ゲームです!!
ルールは簡単、1番長くキスできたカップルが勝ち!》
ポキッ
↑
クラピカの心が折れた音。
会場はどよめき、歓声まで上がって、今日1番の盛り上がりを見せた。
子連れの親達は慌ててその場を離れ出す。
『く…クラピカ…』
「棄権だ」
『や……やだ……』
「お前が何と言おうと無理だ」
あんなに張り切っていたのに、棄権と決めたら清々しいほど割り切りがいい。
リンはじわっと目に涙を溜めて首を横に振る。
『やだ……だってこれ……優勝したらね』
「景品など関係ない。泣こうが無駄だぞ。
たかが祭のイベントで見世物扱いされるなど」
『やだーっ!!だって優勝したら!二人だけのイルミネーション街道を歩けるんだよ!!
絶対クラピカと私が歩くんだもん!!』
《すみませーん、1番のカップルは早くキスして下さいね~!》
気付けば他のカップルはとっくにキス耐久レースに入っている。
『ほ、ほらクラピカ!』
「無理だ」
『……んんん~~~っ……………ごめんクラピカ………!!!』
「わ、こらっ……」
ガシッ
バターンッ!!
ぶちゅっ…………
ドタンッッ!!バタン!!!
「んン~~~!!」
余りの騒がしさに、他のカップル達は思わず何事かと唇を離して振り返った。
そこにはなんと、恐らく押し倒されたらしいクラピカの上にリンが馬乗りになり、両手を抑えつけて無理矢理キスしているという、信じられない光景が。
会場は一気に静まり返り、今まで元気にイベント進行していた司会者さえも口をあんぐり開けて呆けている。
ものの10秒ほどの出来事。
抵抗を続けるクラピカに遂に唇を逸らされ、リンもその体の上からようやく離れた。
そして……
『……っ優勝は私達でオッケーですか!!』
《へっ!?あっ……》
ハッと我に返り、周りの状況を確認する司会者。
一応1番長く唇を付けていたのはこの二人に間違いない。
《は……はいっ!!ゆ、優勝カップルはエントリーナンバー1番のお二人に決定です!!
おめでとうございまぁす!!》
ワァッと大歓声が上がり、拍手の嵐が二人を包む。
『クラピカ!やったやったやったよー!!
二人きりのイルミネーションの世界、ゲットだよー!!!』
完全に現実逃避、放心状態のクラピカは、大喜びで飛びつくリンに指一本さえ動かす気力を失くしていた…
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