聖なる夜の…ー前編ー
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ある年のクリスマス
そう…忘れられないクリスマスが、私達にはある――――――
「絶対に嫌だ!!何を考えてるんだお前は!!」
『いいじゃん!私達が出場しなくて誰が出るっての!?行こう!絶対行くもん!』
多忙なクラピカの貴重なオフに、二人でドライブをしていた時の事。
たまたま通り掛かった街外れの広場で何か催しをしているのを見つけ、特に他に用事もなかった二人は暇つぶしに寄ってみる事に。
もともと祭好きのリンは『わーいわーい』と年甲斐もなくはしゃぎながら一人で先に駆けて行ってしまったのだが…
暫くして、後からゆっくり露店を見回りながら歩いていたクラピカの元に、生き生きした笑顔で戻って来た。
「どうした?」
クラピカが尋ねると
『今日……イヴだ!!』
彼女にしては奇跡的ともいえる失念。
このイベント大好きがクリスマスを忘れていたとは。
クラピカは苦笑いしながら頭をぽんっと軽く叩いた。
「いつも私が家を空けているから、予定を考える張り合いもなくて忘れていたんだろう。すまない。
クリスマスプレゼントに欲しい物を買ってやるから何でも言ってくれ」
『ほ、欲しいもの…何でもくれる!?お金で買えない物でもいいの!?』
「え?」
『アレに……アレに出たい!絶対出たい!
他にプレゼントは何もいらない!!』
何やら顔を真っ赤にして訴えてくるリンに、クラピカは俄かに嫌な予感を感じた。
「アレ……って……」
『アレ!!!』
キビッとした動きでキレ良く指差した先には、イベント用に設営されたステージ。
横断幕には "No.1ラブラブカップル決定戦 "と書かれてある。
「……!!」
目を通すなり思わず一歩後退るクラピカ。
同時に、逃がすまいとクラピカの両腕を掴むリン。
怖いくらいの満面の笑顔だ。
「……まさかアレか?」
『アレだよ、アレ!』
「い……嫌だ……断る!」
……ここで冒頭に戻るという訳で。
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