クラピカバースデー2011
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キュパーンッ!!
ゴンッ!!!
『きゃああっっっ』
「ひゃあああっっ」
真夜中の奇妙な音と奇怪な叫び声
リビングで早くから飲み潰れていたクラピカとラタルは、思わず飛び起きて身構えた。
「……な、なんだ?」
眠る前にはひっちゃかめっちゃかだったテーブルの上は綺麗に片付けられ、
替わりに用意されていたのは豪華三段重ねのクリームケーキ。
薄暗い部屋の中にキャンドルが灯り、
キッチンでは………
「何してるんだ?リン、ルビー」
『あ……あは……』
泡の吹き出すシャンパンの口を必死に抑えながら、気まずそうに笑う二人がいた。
「お父さん、お誕生日……」
『ああっ!ダメ!それ1番に言うのはママだよ!』
「やだルビーが先!お父さんお誕生日おめ
『おめでとう!クラピカおめでとう!今年もよろしく!!ってちがーう!!(汗)』
「お父さんお誕生日おめでとムグ」
『クラピカおめムググ』
「ムゴゴゴ」
『ムゴガゲグ』
互いの口を抑えながら、我先にとその言葉を伝えようとする。
「……ああ……そういえば……」
彼にしては察しが悪く、今更に気づいたようだった。
「今日か……」
時計を見ると、4月4日の午前零時を数秒過ぎたところだった。
そうと気づくなり気が抜けたのか、はっきり言って物凄くどうでもよさそうにクラピカは呟いた。
その三人の様子をラタルはニコニコと見守り
「父さん、誕生日おめでとう!」
最上の微笑みでそう言うと、
クラピカのほっぺにぶちゅっと濃厚なキスをかました。
『「あああああっっっ』」
リンとルビーの近所迷惑な叫び声、第二段。
『ラタルのばかー!!一緒に誕生日過ごせるの三年振りだったのにー!!!1番に言うんだったのにー!!!』
ラタルに突っ掛かっていくついでに勢いよく骨盤をテーブルに打ち付け、三段重ねの豪華なクリームケーキは豪快に空を舞った。
ルビーはあっけにとられて石のように動きを止め
リンは打ち付けた骨盤の痛みに悶絶
ラタルはケーキが落ちる前から救うのを諦め、「あーあ」と無情な声を漏らした。
そしてクラピカは……
間違いなく自分に向かって降ってくるケーキを見上げながら
不思議にも過去の記憶が一瞬にして過ぎ去った気がした。
ああ…………
幸せだ…………
ベチャッ
当たり前だが、ケーキはクラピカの頭上へと真っ逆さま。
皆は仰天してクラピカに釘付け。
わざと避けなかったのは明白だ。
「……父さん?」
「お父さん!?」
『く……クラピカ?』
心配そうな家族の声。
目が開かない。
苺の匂いと、口に広がるクリームの甘さ………
「……美味しい」
クスッと笑うと、自身に付いたクリームやスポンジのカケラを指で掬って口に運ぶ。
「お父さんばっかズルイよ!」
ルビーはクラピカに抱き着くと、頬や髪に付いたケーキを舐め始めた。
『ぷっ』
「あははははっ!」
その光景がなんだかとても可愛くて面白くて
リンとラタルは顔を見合わせ笑った。
「ホントに美味そうだな!」
『うん!こんなご馳走見た事ないよっ!』
二人もクラピカに飛びつき、クリームにまみれて遊んだ。
おめでとう
と
ありがとう
と
愛してる
が、山ほど込められた温かい夜
それはきっと
神様がくれた奇跡の夜
だって彼はそうやって、私達に出会う為に生まれてきてくれたのだから
ハッピーバースデー
貴方が生まれてくれて嬉しい
END