彼氏・キルア・24時ー後編ー
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バタン!
玄関のドアが慌ただしく開閉される音。
ただいまの声もなく、足音が二階に駆け上がって来た。
コンコン
部屋に入る前に丁寧なノックの音が聞こえ、「入るぞ」というクラピカの声。
『お帰りなさい!』
その元気のいい返事に、入って来たクラピカが安堵の溜め息を吐いた。
「体調は?子供に異常はないか?」
『うん!全然元気!女の子だよ、見て!』
クラピカは子供の安らかな寝顔を見つめ、殊更嬉しそうに微笑んだ。
そしてベッドに横になっているリンの手を両手で握った。
「キルア、ありがとう。本当にお前がいてくれなければどうなっていたか……助かった、礼を言う」
キルアにしっかり向き直り、クラピカはかしこまって頭を下げた。
「別にいいって、何の役にも立たなかったし。
多分リンにめちゃめちゃ不安な思いさせたからさ」
『そんな事ないよ!いてくれてよかったよ!ありがとう、キルア!』
「いいって、ホント!かえって照れるだろ」
プイッと素っ気なく背ける横顔が、少し赤くなっていた。
それを見て、リンはクスクス笑った。
「それじゃ、まぁ俺は帰るから。後は家族水入らずで過ごせよ」
『え?もう行くの?』
「また何かあったらいつでも来るからさ」
キルアは名残惜しさもなく、あっさりと部屋から出て行く。
と、その間際、何かを思い出したように振り返った。
「なぁ、子供の名前決まってんの?」
「いや、まだだが?」
クラピカが答えると、キルアはにんまり笑って二人を指差した。
そして、声高らかに言った。
「ルビー!!名前はルビーがいいと思うぜ!」
ビシッとそれだけ言うと、二人の返事を待たずして今度こそ部屋から出て行った。
残されたリンとクラピカはポカーンと呆けた顔。
『……キルアって、あの話知らないよね?』
「あ……ああ……言った覚えはないな」
『何でルビーがいいって思ったんだろ?』
それは、15年前のあの日
ジュエリストの島で知った真実
起源となった王女の名前
" また会えるわね… "
『ルビー……ルビーなの……?』
自分の胸に輝いていた真っ赤な宝石
その中に封じられていた美しい王女
ルビー……
「ルビー、か。いい名前だな」
『うん……最高の名前だね!』
奇跡のような出会い
また会えたね、ルビー!
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