彼氏・キルア・24時ー前編ー
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全てはキルアの予定通りに無事進んだ。
街で夕飯に必要な材料も買って、そのまま家に帰る。
車内では行きも帰りも話が尽きなかった。
思い出話も沢山した。
一日はあっという間だった。
「お前は寝てろよ。疲れただろ?
夕飯できたら起こすからさ。台所借りるぜ」
『ありがとう、キルア』
お言葉に甘えてリビングのソファーに横になる。
キッチンに立つキルアの後ろ姿は……やっぱり立派な男の人で
広い背中が逞しいのに繊細だ。
リンはウトウトと夢現の境をふらふらしながら、キルアと過ごして来た十数年を思い出していた。
もしクラピカと出会わずにいたら
私はキルアを好きになっていたのかな
今こんなに大好きで愛してるクラピカと同じくらい
いなきゃ生きていけないくらい好きになったのかな
なんか……
不思議………
「おいリン……夕飯できたけど、起きれるか?」
『う……?』
聞いた事もない位優しいキルアの声に呼び起こされ、目を開けると
至近距離にキルアの端正な顔のドアップが。
『うわぅ!?』
思わず飛び起きて離れると、キルアはニヤッと笑った。
「いい反応~なんか嬉しくなるな~」
『別にそんな……っ!
あ、いい匂い……』
テーブルには魚のムニエルとスープ、サラダ、パエリアが所狭しと並べられ、加えてピンクのシャンパンが鮮やかに彩りを添えていた。
「ノンアルコールだけど我慢しろよ。俺も付き合うからさ」
『あり…がとう……』
「どういたしまして」
少し照れ臭そうに顔を背け、はにかむキルア。
その笑顔が、リンの胸を締め付けた。
報われないと知っていて、こんなにも優しくしてくれる
変わらず愛してくれる
こんなに沢山の料理、一人で大変だったね
ずっと……苦しくないわけ、なかったよね
キルア―――――
「あ、おい、どうしたんだよ!?」
テーブルに着こうとしていたキルアが、泣いているリンに気付いて駆け寄る。
涙が止まらなくて、リンは俯いたまま黙って泣いていた。
「リン……」
キルアの指が、リンの頬をなぞった。
ハッとリンが顔を上げると、キルアの切なげな瞳と視線がぶつかった。
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