クリスマス2009
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その後はキルアのやけ酒にゴンが付き合わされ、レオリオも含め三人してテーブルに着いたまま眠ってしまった。
「ああもう、だらしないわねぇ!」
「このままでいいだろう。毛布だけ掛けとく。
メイカとリルルは二階の客間で休んだらいい」
「ありがとう~!」
メイカも旅疲れと飲み疲れで直ぐさま二階へ上がって行った。
「……つまらん。結局残ったのは俺だけか」
ラタルは小さく溜息を吐き、風に当たりに外へ出た。
雪は上がり、空には満天の星。
満ちた月が穏やかに輝き、それらを統べていた。
「今…何をしてる…?」
空に向かって問い掛ける。
何をしてる?何を思ってる?
まだ俺の事を思いだす時はある?
俺は……まだ全然……
君を―――――
「ラタル!」
遠くから聞こえた、あるはずのない声。
「………え?」
月の光を遮る大きな影。
突如として一羽の魔獣が、空に現れた。
「なっ……」
こんな街になぜ!?
と、魔獣が低空飛行を始め、その背中に人影が見えた。
「ラタル―――!!」
「!!お前っ…!」
灰色の長い髪を靡かせ、彼女は魔獣の背中から飛び降りた。
「危ない!」
ラタルは落ちて来るその体を、落下地点に先回りして見事受け止めた。
「ルル!!お前……なんで……」
「ただいま、ラタル!」
ルルはそのまま地面に向かってラタルを押し倒した。
「帰ってくるのはまだ先じゃ!?」
「会いたくて……我慢できなくて、魔獣をチャーターしてもらったの!」
「魔獣を…」
泣きながらラタルの胸にしがみつくルル。
ラタルはまた溜息を吐き、その髪を優しく撫でてやった。
ダリアと離れたあの日から、三ヶ月。
怪我が完治したルルは一度国王と話したい事があると言って、一月前に祖国へ帰っていた。
戻ってくるのは年が明けてからだと言っていたのに……
「……怪我はなかったか?あんな高い場所から飛び降りるなんて」
「何も考えられなかったんだもの!ラタルを見つけた瞬間、体が勝手に動いたの!」
「はぁ…無事でよかった……」
「大好き…大好き!私、ラタルを愛してる!」
「知ってる……」
ふっと笑いが零れる。
ルルの香りが懐かしい。
心が安らいでいくのがわかる。
帰って来てくれて嬉しい。
「淋しかった」
「ホント!?本当に!?ラタル」
「会いたかった」
「ラタル……」
ルルが涙と一緒に落としてきたキスに、ラタルは静かに目を閉じた。
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