クリスマス2009
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「では~皆様の前途を祝しまして……」
「なんでだよ」
例の如く乾杯の音頭を任せたレオリオの不細工な始まりに、キルアがあっさり突っ込んだ。
「おま、今からいいとこだったのに!」
「嘘つけ。後に続くのは”乾杯”だけだろ」
「ちょっと~、お腹空いたから早くしましょ!ハイ、メリークリスマ~~~ス!!」
「「『メリークリスマ~~~~ス!!」」』
結局メイカの割り込み音頭によって皆はグラスをかち合わせた。
「てめ、メイカ!俺の見せ場を!!(怒)」
騒ぐレオリオの口をテキーラによって塞ぐメイカ。
「待て、それ俺の」
メイカの手からテキーラを取り、くいっと喉に流し込むラタル。
それを見て、クラピカは深い溜息を吐いた。
「まったく…言う事を聞かなくなってきたな」
「ラタル兄!リルルがお酒注いであげる!」
ちゃっかりラタルの隣の席を陣取っていたリルル(レオリオの娘)がラタルのグラスにワインを注ぐ。
「久しぶりだな、リルル」
ラタルはリルルを抱き上げて自分の膝の上に座らせる。
「大きくなったな」
「もうすぐ六歳よ!子供扱いしないでっ」
「ははっ、そうか。それはすまない」
リルルは風船のように頬を膨らませる。
「ね、ラタル兄。まだ彼女と別れてないの?あの赤い髪の、本屋の人」
「ああ…ダリアか。こないだ別れたよ」
ワイワイと騒がしくしている振りをして、皆がラタルとリルルの会話を盗み聞いていた。
「ほんとに!?ホントに別れたの!?じゃあ今ラタル兄フリー!?」
「ぶっ…フリーって(笑)まぁ、フリーだな」
「じゃあリルルと付き合って!リルルを彼女にして!」
目をキラキラ輝かせて、リルルはラタルの肩を揺すった。
「ああ、いいよ。ただしリルルが俺の歳に追いつけたらな」
「じゃあラタル兄が待っててよ、リルル急いでラタル兄と同じ歳になるから!」
「それは無理だよ。俺も急いでるんだ」
「もぉ~~~~いじわるなんだからラタル兄は!」
ポカポカと胸を叩いてくるリルルの頭を、ラタルはよしよしと優しく撫でた。
「それにしてもアレだな、リンはもうすぐハンター試験だな」
レオリオがリンにお約束の焼酎を酌している。
『うん、最近はビスケに絞られて絞られて…毎日クタクタ』
「ビスケ?誰だ?」
「俺らの二人目の師匠。
クラピカが口利きしたらしくて、今リンの念修業を見てる」
昔より随分酒が強くなったキルアに、リンが慌ただしくワインを注ぐ。
『ビスケすんごいスパルタなんだけど見た目めちゃ乙女なの』
「おぉ、お会いしてぇな~」
「レオリオさんっ?」
「あ、いや……」
メイカの髪がメデューサのようにユラユラ揺れ、レオリオは身を縮こませた。
『すっごい強いし指導者としても素晴らしいとは思うけど!!クラピカに色目使うの!
そこだけは嫌!!』
いきなりガンッとテーブルにワイングラスを叩きつけ、息を荒げるリン。
クラピカが驚きながらも宥めるように背中を撫でる。
「酔うには早いぞ。別に色目など使われては」
『何ゆってんのっ!そーゆーのは男にはわかんないの!!
ビスケってば私の前とクラピカの前、全然違うんだから!』
クワッという擬態語がぴったりな程の勢いで、リンがクラピカに食ってかかる。
「そうよ!男の人って女の下心とか全然見抜けないんだから!」
メイカも参戦しだしたから、さぁ大変。
男性陣は揃って肩を竦めた。
『クラピカってばいつもそう!こないだ行った旅行先のホテルで案内の女の人にチヤホヤされちゃって!!
クッキーくれたのだって受け取ってたじゃん!』
「ええええ!?最低、クラピカさんっ!!」
「なっ……あれは旅行客全員に配っていたのかと……」
動揺しながら言い訳するクラピカを、リンとメイカは容赦なく責め立てる。
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